チガナ・サンタナ、軍事政権下で発表されたミルトン・ナシメント『魚たちの奇跡』を新解釈

Tiganá Santana - Milagres

ミルトン名盤『Milagre dos Peixes』を稀代のSSW、チガナ・サンタナが新解釈

ブラジルのSSWチガナ・サンタナ(Tiganá Santana)、スウェーデンのパーカッション奏者セバスチャン・ノチーニ(Sebastian Notini)、そしてベーシストのルドソン・ガルター(Ldson Galter)がミルトン・ナシメント(Milton Nascimento)の1973年のアルバム『Milagre dos Peixes』の収録曲を新解釈したアルバム『Milagres』をリリースした。

今も歌い継がれるミルトン・ナシメントを代表する名曲(4)「Milagre dos Peixes」や(6)「San Vicente」を含むオリジナル盤は、発売当時のブラジル軍事政権の検閲の影響もあり、歌詞がない・インストが多いなど実験的な作風が色濃く、評価は分かれている(『Rolling Stone Brasil』誌は、もっとも優れたブラジル音楽のランキングで63番目と評価)。確かに前述の2曲を除けば難解で地味な曲が多いものの、“ブラジルの声”とも呼ばれるミルトン・ナシメントの音楽家としての深みが浮き出た傑作だと思っている。

(4)「Milagre dos Peixes」

曲順など変更点はあるものの、そんなオリジナル盤を受け継いだチガナ・サンタナ版もやはり派手さはないが、聴けば聴くほどに味が出るアルバム。アルバムのハイライトはやはり有名曲である(1)「A Chamada – Escravos de Jó」や(4)「Milagre dos Peixes」、(6)「San Vicente」だが、ぜひその他の楽曲にも耳を傾けてほしい。オリジナル盤にあった鬼気迫る名曲「Pablo Nº 2」など、いくつかの楽曲が未収録なのは惜しまれるところだが、人々が自由を制限されていた時代に創られた抑圧と、それに対する芸術家たちの抵抗を垣間見ることができるだろう。

──ブラジルにもそういう時代があったのだ。
歴史はなかったことにしてはいけないし、時の権力者が都合の良いように改竄するなどもってのほかである。

チガナ・サンタナ、セバスチャン・ノチーニ、ルドソン・ガルターによるライヴ演奏のダイジェスト。

Tiganá Santana – guitar, vocals
Sebastian Notini – percussion, saxophone
Ldson Galter – bass, guitar

Tiganá Santana - Milagres
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