バルセロナ・ジプシー・バルカン・オーケストラ新譜『Nova Era』
スペインを拠点に活動する多国籍バンド、バルセロナ・ジプシー・バルカン・オーケストラ(Barcelona Gipsy balKan Orchestra, 略称:BGKO)の新譜『Nova Era』がリリースされた。
地中海の北側〜東側の地域に古くから伝わるロマ音楽、バルカン音楽、クレズマー音楽を基調に、どこか郷愁を漂わせつつ、本能的に踊りたくなるような軽快な音楽をたっぷりと聴かせてくれる。
特にヨーロッパで大人気のBGKOは、スペイン(カタロニア〜イベリア)、イタリア、ギリシャ、バルカン半島、ロシア、中東まで跨った音楽的多様性が特徴的で、それらの文化の坩堝であるバルセロナの脈動する音楽シーンにおいて最も象徴的なバンドだ。彼らの音楽は言語の壁や国籍に囚われない、さまざまな文化に共通するルーツの体現であり、ナショナリズムが台頭しがちな現代社会への強烈なメッセージのようにも聴こえる。
(5)「Marijo, deli Bela Kumrijo」はバルカン半島中部のコソボのゴーラ地方に伝わる伝統歌。恋人と離ればなれになってしまった心の痛みを歌う。
地中海周辺の伝統音楽を現代に蘇らせる、世界で最も成功したグループ=BGKO
バルセロナ・ジプシー・バルカン・オーケストラ(BGKO)、旧称バルセロナ・ジプシー・クレズマー・オーケストラは、2012年にスペインのバルセロナで結成された。アコーディオン奏者マティア・シロサ(イタリア)、ベース奏者イヴァン・コバチェビッチ(セルビア)、ギタリストのジュリアン・シャネル(フランス)、パーカッショニストのステリオス・トギアス(ギリシャ)、クラリネットのダニエル・カルボネル(スペイン)、ヴォーカリストのサンドラ・サンジャオ(スペイン)が設立メンバーで、クラリネット奏者の脱退を機にバンド名を現在のものに変更している。
演奏する曲は主に地中海周辺の伝統的な音楽の再解釈で、デビューアルバム『Imbarca』(2012年)に収録のジプシー賛歌「Djelem Djelem」などはYouTubeでも600万回以上再生されるなど、ワールド・ミュージックの分野で最も注目を浴びているバンドだ。
2019年にリードヴォーカルがサンドラ・サンジャオからイタリア出身のマルゲリータ・アビタ(Margherita Abita)に交代。本作はその新しいヴォーカリストのお披露目でもある。
Barcelona Gipsy balKan Orchestra :
Mattia Schirosa (Italy) – accordion
lvan Kovačević (Serbia) – double bass
Stelios Togias (Greece) – percussion
Julien Chanal (France) – guitar
Daniel Carbonell (Catalonia-Spain) – clarinet
Oleksandr Sora (Ukraine) – violin
Pere Nolasc Turu (Catalonia-Spain) – violin
Margherita Abita (Italy) – vocal