スウェーデンの女性トロンボーン奏者カリン・ハマー、北欧的雰囲気の新譜

Karin Hammar - Strings Attached

カリン・ハマー、ゲストにハーモニカ奏者を迎えた2020年新譜

スウェーデンのトロンボーン奏者/作曲家、カリン・ハマー(Karin Hammar)の2020年新譜『Strings Attached』は、自身のカルテットを基本編成としつつ、数曲でゲストにクロマチック・ハーモニカ奏者のオリヴィエ・ケル・オゥリオ(Olivier Ker Ourio)と弦楽四重奏が参加。クラシカルな雰囲気が漂う落ち着いた良盤だ。

収録曲はどれも和音やメロディーの美しさを重視しており、それはアドリブにおいても同様。彼女の音楽から受ける柔和な印象は、トロンボーンという楽器の特色ゆえか、または女性らしさか、あるいはその両方かもしれない。弦楽四重奏の加わった曲はクラシック要素が強めの、いかにも北欧らしい暖かみのある室内楽的ジャズだが、曲によってはギターのアンドレアス・ホアダキス(Andreas Hourdakis)が歪み系エフェクターでソロをとるなどロックの要素があったり、ボサノヴァのリズムがあったりとバリエーションも豊か。

当サイトでも以前アルバムを紹介したフランス領レユニオン島出身のハーモニカ奏者オリヴィエ・ケル・オゥリオの参加も特筆もので、巨匠トゥーツ・シールマンスを彷彿させるハーモニカと、カリン・ハマーのトロンボーンとの対比も面白い。

美しいチェロに導かれる(1)「Dreaming in G」のMV。
ボサノヴァのリズムで演奏される(8)「Avenida Atlântica」

カリン・ハマー(Karin Hammar)は1974年生まれ。ストックホルム王立音楽院で学び、同じくトロンボーン奏者でありヴォーカリストとしても人気の姉ミミ・ハマー(Mimmi Hammar)とともに“Sliding Hammers”としての活動でも知られている。
自身名義のアルバムはこれまでに4枚をリリース。2004年のAlice Babs Jazz Award、2009年のSKAP(Swedish Society for Popular Music Composers)作曲家賞など受賞歴も多く、スウェーデンを代表するジャズ・トロンボーン奏者となっている。

Karin Hammar Fab 4 :
Karin Hammar – trombone
Andreas Hourdakis – guitar
Niklas Fernqvist – bass
Fredrik Rundqvist – drums

Guests :
Olivier Ker Ourio – harmonica

The Fab Stringz :
Hanna Helgegren – violin
Karin Liljenberg – violin
Jill Johansson – viola
Anna Wallgren – cello

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