ブラジル随一のコーラスグループ、オルヂナリウスが歌うボサノヴァ名曲集

Ordinarius - Bossa 20

豊かな6声ハーモニーが魅力のOrdinarius新譜

ブラジルのコーラスグループ、オルヂナリウス(Ordinarius)がボサノヴァの名曲を美しい6声のコーラスでアレンジした2021年新譜『Bossa 20』。これまでもブラジル国内外の名曲カヴァーで男女混成コーラスの魅力を見せてきた彼らだが、これまでのアルバムの中でもっとも聴きやすい選曲となっている。

もともとブラジル音楽には、他の国のポピュラー音楽にはなかなかない豊かなハーモニーという特徴があるが、この7人組(ヴォーカル6人+パーカッション1人)はよく知られた原曲をアレンジし芸術的なハーモニーを聴かせてくれる。アレンジだけでも複雑なのに、それらを自らの声をコントロールして完璧に再現したこの音楽は驚異であり、賞賛に値する。9thや13thといったテンションを多用したブラジル音楽の美しさ、半音でぶつかる声の美しさ。器楽曲には器楽曲の良さがあるが、やはり人の声というものはそれ以上に魅力的だ。

マルコス・ヴァーリの名曲(2)「Samba de Verão」

選曲はブラジル音楽の中でも“超”がつく名曲ばかりで、原曲やほかのカヴァーとのアレンジの聴き比べも楽しいし、ブラジル音楽にあまり触れたことがない方であればお気に入りの曲を見つける入門編としてもおすすめできる内容になっている。マルコス・ヴァーリの(2)「Samba de Verão」、カエターノ・ヴェローゾの(3)「Coração Vagabundo」、アントニオ・カルロス・ジョビンの(8)「Wave」に(10)「The girl from Ipanema(イパネマの娘)」、ジョアン・ドナートの(9)「A Rã」あたりは特に有名な曲だ。

アントニオ・カルロス・ジョビン作の(8)「Wave」

ブラジル随一のコーラスグループ Ordinarius略歴

オルヂナリウス(Ordinarius)は2008年に結成。リオデジャネイロで開催されたアカペラ・ヴォーカルグループ・コンペティションで優勝し、最初のアルバム『Ordinarius』を2012年にリリース。ショーロやサンバ、ボサノヴァといったブラジル音楽から、スティーヴィー・ワンダーやマイケル・ジャクソンなどもレパートリーとしている。
これまでにアメリカやヨーロッパ、日本での公演も行ったブラジル随一の実力派だ。

リーダーはアレンジや音楽ディレクターも務める歌手アウグスト・オルヂニ(Augusto Ordine)。

アントニオ・カルロス・ジョビン作のボサノヴァを代表する曲(10)「The girl from Ipanema(イパネマの娘)」

Ordinarius :
Augusto Ordine
Maíra Martins
Mateus Xavier
Matias Correa
Fabiano Salek
Beatriz Coimbra
Antonia Medeiros

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