牧歌的な山岳音楽を演奏するドイツの若者4人組、Maxjosephのデビュー作
シュタイアーマルク・ハーモニカ2台、ギター、チューバという編成のドイツの4人組バンド、Maxjosephのデビュー作『Neue Welt』は、ヨーロッパの古風な舞踏音楽をもとにジャズなどの新しいアイディアを加えた興味深い作品だ。
シュタイアーマルク・ハーモニカ(シュタイリシェ・ハーモニカとも)とはドイツのシュタイアーマルク州で発展し、ドイツ、オーストリア、スイス、スロベニア、チェコなどのアルプス地帯で現在でも多く使われているダイアトニック式ボタンアコーディオンのこと。
リズムはロマの音楽にも通ずるところがあるが、より長閑で牧歌的な山岳音楽の様相。アルバムに収められたすべての楽曲がバンドメンバー4人のみの器楽アンサンブルのため、ともすれば冗長になりがちだが、曲ごとに異なるリズムが用いられており、それぞれヨーロッパを中心に世界に広まっていったいくつかの音楽のルーツとも思われるような様式も聴くことができる。
個人的には哀愁漂うミュゼットのような(7)「Sibirische Nacht」が堪らなく好き。
Maxjoseph :
Georg Unterholzner – guitar
Andreas Winkler – Steirische harmonika
Josef Steinbacher – Steirische harmonika
Florian Mayrhofer – tuba