選曲も演奏も見事なフラメンコ・ジャズ。スペイン発ギタートリオの大傑作3rd

Josemi Carmona, Javier Colina & Bandolero - Vida

Josemi Carmona, Javier Colina & Bandolero 『Vida』

スペインのギタリストホセミ・カルモナ(Josemi Carmona)と、ベース奏者ハビエル・コリーナ(Javier Colina)、そして打楽器奏者バンドレロ(Bandolero)の共同名義による第3作『Vida』がリリースされた。

フラメンコを基調としたアタックの強いギター、ジャズ色の濃い自由なベース、そしてフラメンコに欠かせないカホンを中心としたパーカッションのトリオが繰り出す音は見事な調和を醸す。

アルバム収録曲も非常にバランスがよく、哀愁を感じさせるホセミ・カルモナのオリジナルである(1)「Vida」に始まり、アイルランド民謡の(2)「Danny Boy」、ブラジルの鬼才作曲家エグベルト・ジスモンチ作の(3)「Loro」、スペインの有名な古い歌曲(4)「La Violetera(スミレの花売り娘)」、ブラジルのエドゥ・ロボ&シコ・ブアルキによる(5)「Cantiga」、チック・コリアの名曲(6)「Spain」、再びホセミのオリジナルを挟んでジャズスタンダードの(8)「Moon River」、ブラジルのSSWホーザ・パッソスの(9)「Juramento」といったように幅広く素晴らしい楽曲群が集められている。

(8)「Moon River」

多くはインストだが、唯一(9)「Juramento」は女性ヴォーカルのロザレン(Rozalén)が参加。美しい歌声でアルバムを締めくくる。

アルバム『De Cerca』(2016年)で現代のフラメンコ・ジャズの筆頭格と高く評価された3人による必聴盤だ。

Josemi Carmona – guitar
Javier Colina – contrabass
Bandolero – cajon, percussion

Josemi Carmona, Javier Colina & Bandolero - Vida
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