ヨーロピアン・ピアノトリオの真髄!美しいアイディアに満ちたエンリコ・ピエラヌンツィ新作

Enrico Pieranunzi - Something Tomorrow

美しいアイディアに満ちたエンリコ・ピエラヌンツィ新譜

70歳を越えた今もなお美しい新曲を書き続け、膨大なディスコグラフィをすごい勢いで拡張し続けるヨーロッパ随一の巨匠ピアニスト/作曲家エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)のピアノトリオによる新譜『Something Tomorrow』。今回はビル・エヴァンス・トリビュートのデュオ作品『The Real You』(2021年)で共演したデンマークのベース奏者トーマス・フォネスベック(Thomas Fonnesbaek)と、これまでの作品でも断続的に共演してきたフランス出身ドラマー、アンドレ・チェッカレリ(André Ceccarelli)とのヨーロッパ最高峰トリオによる演奏。
美しく抒情的な楽曲群、その一方で鋭くグルーヴする演奏も聴かせるなどピエラヌンツィの音楽の真髄を捉えた作品になっている。

10曲中、ピエラヌンツィのオリジナルが8曲、そしてピエラヌンツィの叙情的な側面に触発されたフォネスベックの作曲が1曲((6)「What Once Was」)、さらにクルト・ヴァイル/アイル・ガーシュインによる(10)「This Is New」という構成。

ピエラヌンツィらしい叙情性を湛えた(1)「Those Days」

やはり個人的には(1)「Those Days」のような繊細な感情を呼び起こさせる曲にぐっとくる。テーマはトップノートを絶妙に保ちつつベースやコードが変わるいくつかの印象的な節と、ピエラヌンツィお得意の頻繁な転調によって感情の奥底を揺さぶる。短調と長調の場面転換もいつものように巧みで、彼の往年の名曲「Seaward」の感動を呼び起こすような演奏が本当に素晴らしいと思う。

ヨーロピアン・ジャズを代表するピアニスト、Enrico Pieranunzi

エンリコ・ピエラヌンツィは1949年イタリア・ローマ生まれ。父親はジャズギタリストで、エンリコもまた幼い頃から音楽を学んだ。クラシックのピアニストとして1973年に音楽の教授となったが、1975年には教育現場を去り、ジャズのトリオや小規模アンサンブルで演奏するようになった。

これまでに数多くの作品を録音しており、ジム・ホール(Jim Hall)、マーク・ジョンソン(Marc Johnson)、チャーリー・ヘイデン(Charlie Haden)、ジョーイ・バロン(Joey Baron)、チェット・ベイカー(Chet Baker)といったレジェンドたちと演奏を共にしてきた。

Enrico Pieranunzi – piano
Thomas Fonnesbæk – double bass
André Ceccarelli – drums

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