フラメンコ/ブラジル音楽/ジャズを繋ぐ巨匠たちの至上のセッション。ゲストにマイケル・リーグ

Chano Dominguez, Rubem Dantas & Hamilton de Holanda - Chabem

チャノ・ドミンゲス、ルベン・ダンタス、アミルトン・ヂ・オランダの極上トリオ作

プログレを原点とし、ジャズやフラメンコなど幅広いスタイルで活躍するスペインのピアニスト/作曲家チャノ・ドミンゲス(Chano Dominguez)、ペルーの楽器カホンを初めてフラメンコの世界に持ち込んだブラジルの打楽器奏者ルベン・ダンタス(Rubem Dantas)、ブラジルの天才的バンドリン奏者アミルトン・ヂ・オランダ(Hamilton de Holanda)というレジェンド級の3人が集い、誕生したアルバム『Chabem』

スナーキー・パピーのマイケル・リーグ(Michael League)がゲスト参加した(2)「Para Chick」はチック・コリアの名曲「Armando’s Rhumba」を彷彿させるスパニッシュで情熱的な演奏。
(3)「Afro Flamenco」はタイトルから受ける印象に反して随分と優雅なラテン風味のワルツ。

チック・コリアに捧げられた(2)「Para Chick」。

シコ・ブアルキ作の(4)「Olha María」、アラブ・アンダルシアの伝統的な音楽の要素が入ったパコ・デ・ルシア作曲の(6)「Zyryab」といったレパートリーはブラジルとスペインを繋ぎ、さらに音楽の世界を拡げていく。どの曲のアレンジも素晴らしく、超絶的な技巧と表現力に支えられた緻密なアンサンブルがジャズ、フラメンコ、ブラジル音楽の境界を見事に溶かす。

終盤はショーロが多くなり、ジャコー・ド・バンドリンの美しいショーロ(8)「Santa Morena」、アミルトン・ヂ・オランダ作曲の(9)「Em Nome Da Esperança」、そしてラストはピシンギーニャの名曲「Carinhoso」をスペイン屈指の歌手シルビア・ペレス・クルス(Sílvia Pérez Cruz)が愛情深く歌う。

シルビア・ペレス・クルスが歌う(11)「Carinhoso」

ジャズ・フラメンコのパイオニア、Chano Dominguez

チャノ・ドミンゲスは1960年スペイン・アンダルシア州のカディス生まれ。フラメンコに情熱を注ぐ父親のもとで育ち、8歳でギターをはじめ、ピアノは12歳から演奏し夢中になったという。
アンダルシアのプログレッシヴ・ロックバンド、CAIのメンバーとしてプロとしてのキャリアをスタートし、18歳で最初のアルバムをリリース。その後マハヴィシュヌ・オーケストラやウェザー・リポートの影響を受けジャズピアニストとして活動を開始し、フラメンコとジャズを融合したスタイルで人気を博した。

フラメンコにカホンを持ち込んだ Rubem Dantas

ルベン・ダンタスは1954年ブラジル・バイーア州サルバドール生まれ。バイーアでピアノと打楽器を学んだあと、1976年にスペインに移住し、以来多くのフラメンコ系フュージョンのグループに参加し演奏している。
1981年に結成されたフラメンコ・ギタリストのパコ・デ・ルシアのセクステットにカホン奏者として参加。現在はフラメンコにカホンは欠かせないものとなっているが、その導入期の第一人者として知られている。

バンドリンの名手 Hamilton de Holanda

アミルトン・ヂ・オランダは1976年ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。5歳で初めてバンドリンを演奏した彼は現在最も尊敬されるバンドリン奏者としてショーロ、サンバ、MPBなどのブラジル音楽からジャズまで、ブラジル国内外で幅広く活躍する。

Chano Dominguez – piano
Rubem Dantas – cajon
Hamilton de Holanda – bandolim

Guests :
Michael League – bass (2, 7, 9)
Sílvia Pérez Cruz – vocal (11)

関連記事


Chano Dominguez, Rubem Dantas & Hamilton de Holanda - Chabem
最新情報をチェックしよう!