トランペット奏者アントワーヌ・ベルジュー新譜『Chromesthesia』
マカヤ・マクレイヴン(Makaya McCraven)との共作『Moving Cities』(2019年)が話題になったフランスの気鋭トランペッター、アントワーヌ・ベルジュー(Antoine Berjeaut)が自身の新譜『Chromesthesia』をリリースした。
今回は鍵盤(アナログシンセやピアノ)2人、ギター、ドラムスという編成のバンドを従え、シンセやギターが作り上げる空間の中をアントワーヌ・ベルジューのトランペットやフリューゲルホルンが自由に浮遊するようなサウンドが非常に魅力的。ドラムスはグアドループ出身のアーノウ・ドルメン(Arnaud Dolmen)で、時空を自在に操るかのようなドラミングも素晴らしい。
各プレイヤーもアンサンブルも複雑なことをやっていながら、アルバム全体の温度感は低め。有機的なリズムなのに、どこか無機質的な印象も受ける。この不思議な感覚もフランスの前衛ジャズらしいというか、この手のサウンドが好きであれば間違いなくストライクな作品だろう。
Antoine Berjeaut 略歴
アントワーヌ・ベルジューはフランスを拠点に活動する1982年生まれのトランペット/フリューゲルホルン奏者/作曲家/プロデューサー。ジャズ、ワールドミュージック、エレクトロニカ、ヒップホップなど現代の音楽シーンで幅広く活躍し、舞台音楽なども手掛けている。
プリミティヴ・ロンドン(Primitive London)のメンバーとして2017年に『Planet Savage』をリリース、ラッパーもフィーチュアしたクラブミュージック寄りのサウンドは評判を呼んだ。
Antoine Berjeaut – trumpet, flugelhorn
Featuring :
Enzo Carniel – Fender Rhodes, piano, KORG MS-20 synth
Csaba Palotaï – guitars, FX
Gauthier Toux – Prophet synth
Arnaud Dolmen – drums, percussions
Guests :
Samuel Laviso – percussions (2, 6, 9, 10)
Giani Caserotto – guitar (9, 10)
Guillaume Christophel – bass clarinet (10)
Joce Mienniel – bass flute (10)