ヴァイオリン、クラリネット、ベース、ピアノの美しきカルテット
ブラジルのベース奏者/作曲家ジョアン・タウブキン(João Taubkin)の新作『Coreografia do Encontro』は、ヴァイオリンのヒカルド・ヘルス(Ricardo Herz)、クラリネットのアレシャンドリ・ヒベイロ(Alexandre Ribeiro)、ピアノのゼー・ゴドイ(Zé Godoy)という名手を迎え、ドラムレスのカルテットで演奏される美しい室内楽的ジャズ作品だ。
ハーモニーを支えるゼー・ゴドイのピアノはクラシックの奏法に根差し、その安定した音空間の中でヒカルド・ヘルスとアレシャンドリ・ヒベイロがジャズの自由さで歌う。ジョアン・タウブキンは低音を支えつつも随所でさまざまな冒険を試み、アンサンブル全体を抱擁する。
クラシック、ジャズの両者が見事に融合していることはもちろん、ブラジル北東部の伝統音楽に影響された(6)「Ciranda das Almas」など、随所にブラジルらしさも垣間見える。
美しく構成された楽曲も、楽器の木の香りが漂ってくるような音色の素晴らしさも全てひっくるめて、本物の音楽が持つ神秘的な力を感じることができるお薦めの作品だ。
João Taubkin 略歴
有名なピアニスト、ベンジャミン・タウブキンを父に持つジョアン・タウブキンは幼少時から音楽に触れて育ち、ジャズ、アフリカ音楽、ロック、そしてブラジルの伝統的な音楽に常に刺激されてきた。
国内外のさまざまなアーティストとの共演を重ね、2013年にはゼカ・ロウレイロ(Zeca Loureiro)とブルーノ・テッセリ(Bruno Tessele)と共にデビューアルバム『Tribo』をリリース。その後もコンスタントにアルバムをリリースしている。
João Taubkin – contrabass
Alexandre Ribeiro – clarinet, clarone
Ricardo Herz – violin
Zé Godoy – piano