カタルーニャの新たな才媛マガリ・サレ、大注目の2nd
カタルーニャのSSW/ピアニスト/フルート奏者マガリ・サレ(Magalí Sare)の新作『Esponja』は、彼女の柔らかな声質から来る優しい音触りと、こだわりの散りばめられたアコースティック主体のサウンド、ラテン気質の明るさと同時に洗練された上品さがバランスよくミックスされた注目すべき作品だ。
クラシックとジャズのトレーニングを積んだというマガリ・サレは豊かな表現力の声の持ち主で、随所でその天性の才能を露わにする。楽曲はカタルーニャ語や一部ポルトガル語でも歌われ、喪失や愛についてを表現。時には囁くように、時には叫ぶように歌う姿には単に音楽に留まらない、より広義な“芸術”を感じさせる。
ポルトガルの芸術に多くのインスピレーションを与えてきた詩人フェルナンド・ペソア(Fernando Pessoa, 1888 – 1935)にオマージュを捧げる(4)「Sempre Vens Assim」はアコースティックの温かな質感とポップな賑やかさを兼ね備えた曲で、ゲストで迎えられたポルトガルの歌手サルヴァドール・ソブラル(Salvador Sobral)との相性も抜群。
(6)「Esponja」はスポンジのように善悪の区別なく自然とすべてのことを吸収していた無垢な少女時代を歌っている。両親、兄弟姉妹、友人から多大な影響を受ける成長期の思い出を大切に慈しむように歌う素敵な楽曲だ。
(8)「ETC.」にはカタルーニャの女性4人組フラメンコ・ミクスチャーバンド、Las Migasをフィーチュア。本作中でもっともフラメンコに寄ったサウンドと表現を提供する。