ポップ感覚も素晴らしい女性4人組フラメンコ・ミクスチャー、Las Migas 2022年新譜『Libres』

Las Migas - Libres

結成から18年。今も進化を止めないLas Migas

日本でも人気の歌手、シルビア・ペレス・クルス(Sílvia Pérez Cruz)が在籍していたことでも知られるスペイン・バルセロナの女性4人組バンド、ラス・ミガス(Las Migas)の2022年新譜『Libres』。フラメンコを軸に豊かな曲種、かつポップスとして楽しめる親しみやすさのある全10曲は「海、陸、空気、火の匂い、自由な愛、希望、女性の強さ」をテーマとしている。

アルバムはなぜかカントリー・ウエスタンを取り入れた陽気で奇妙なフラメンコ(1)「El querer de una morena」で幕を開ける。フレーズの所々にブルースの影響も受けたルンバ・フラメンカ(2)「Antonia」、12拍子系の感覚を持つ美しい(3)「Alba」、ラップを取り入れた(4)「La Cantaora」など、サウンドはどれも伝統的なフラメンコを基調としつつ、他のさまざまなジャンルの音楽を貪欲に吸収しており、全体として非常に高い完成度を誇る。

疾走感のあるルンバ・フラメンカ(2)「Antonia」

(4)「La Cantaora」にはシンガーのマリア・ペラエ(María Peláe)が、そして(7)「Rumba para que te enamores」にはフラメンコギターの雄、トマティート(Tomatito)がゲスト参加。

(4)「La Cantaora」

スペインを代表するフラメンコ・ミクスチャー・ユニット

Las Migasは2004年に女性4人で結成されたバンド。現在創立時のオリジナルメンバーはギターのマルタ・ロブレス(Marta Robles)のみで、他はメンバー交代を繰り返している。
女性らしい華やかさと、ポップな感覚を持ちながら、歌も演奏のクオリティも高く国際的な評価を確立。

オリジナル・メンバーであったシルビア・ペレス・クルスは2011年までバンドのヴォーカルを担い、その後はソロとして国際的な成功を収めている。Las Migasのデビューアルバムである2010年作『Reinas del Matute』はシルビア・ペレス・クルスが全編ヴォーカルを務めた唯一の作品で、彼女のルーツを探る上でも重要な位置付けとなっている。

Las Migas :
Carolina Fernández – vocals
Marta Robles – guitar
Alicia Grillo – guitar
Roser Loscos – violin

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