テルアビブのネオソウル最前線 J.ラモッタ すずめ、全編ヘブライ語で挑む最新作

J.Lamotta - So I've heard

J.ラモッタ すずめ、全編ヘブライ語で挑む最新作『So I’ve heard』

モロッコ系イスラエル人のSSW、J.ラモッタ すずめの2022年新譜『So I’ve heard』
これまでは英語詞での音楽表現をメインに活動してきた彼女が初めてほぼ全編で母国語であるヘブライ語を用い、ヒップホップ/ネオソウルの明瞭なサウンドに中東音楽のエッセンスも適度に取り入れた意欲作となっている。

初期の作品では自身のトランペット演奏などオーガニックな手触りがあったが、ここ数年はトランペットの出番もほぼなくなり、今作も打ち込みが主体の路線。輪郭のはっきりしたソリッドなサウンドはシーンの最前線と目される彼女らしさが発揮された流石のクオリティで、アルバム全編を通じて聴き心地の良さは抜群。洗練されたハーモニーやリズム、ヘブライ語の神秘的な響きも相まって素晴らしい作品に仕上がっている。

(1)「Fruits」

(7)「Eyes」では唐突に「目を閉じて 耳を澄ます」と日本語のコーラスも登場。
R&B、ネオソウル、ヒップホップなど幅広い音楽ファンに訴求する傑作。

J.ラモッタ すずめ プロフィール

J. Lamotta すずめはイスラエル・テルアビブでモロッコにルーツを持つ家庭に生まれた。十代の頃にビリー・ホリデイ、ジョン・コルトレーン、サン・ラといった音楽に衝撃を受けジャズの道を志す。
2014年、ジャズの学士号を取得する直前に、彼女は勉強を終えるはずだったニューヨークではなくベルリンに転居することを決めた。ベルリンでは、マーヴィン・ゲイ、カーティス・メイフィールド、Jディラのサウンドを通じて、ソウルとヒップホップへの情熱を発見。その頃からトランペット、パーカッション、シンセサイザー、ギターの演奏やビートメイクをし、歌うようになった。

いくつかの自主制作盤を経て2017年にベルリンのJakarta Recordsからリリースした『Conscious Tree』が大ヒット。以来、テルアビブのシーンを代表するアーティストとして注目され続けている。

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