現代ジャズギターの“最高”を聴こう。ジュリアン・ラージの最新作はあの鬼才も参加

Julian Lage - View With A Room

ジュリアン・ラージ、ビル・フリゼールをゲストに迎えた新譜

ピックを持つ指先から6本の弦が張られたエレクトリック・ギター本体、弦の振動を拾うピックアップからケーブルで繋がれたエフェクター、アンプまで。それらすべてが精神や肉体と同化してしまった正真正銘のギタリスト。現代最高峰ジャズ・ギタリストと称されるジュリアン・ラージ(Julian Lage)の新譜『View With A Room』を聴くと、彼こそがギターそのものなのではないかとさえ錯覚してしまうほど。

基本の編成は前作『Squint』から引き続きベースにペルー出身のホルヘ・ローダー(Jorge Roeder)、ドラムスにデイヴ・キング(Dave King)のギタートリオとなっているが、今作では7曲でアメリカを代表するギタリスト、ビル・フリゼール(Bill Frisell)も参加している。

が、ここでの鬼才ビル・フリゼールの役割はあくまでアディショナル・ギタリストである。この音楽の対話の中心はジュリアン・ラージであり、信じられないことにビル・フリゼールは黒子的な空間の演出に終始徹している。ホルヘ・ローダーとデイヴ・キングも決して目立たないが、ジュリアン・ラージからのフレージングや強弱などの音による“呼びかけ”に咄嗟に反応する。とめどないインスピレーション。彼らのアンサンブルの瞬間瞬間に言葉には表わせられない感動があり、それがどこまでも連続するのだ──つくづく、素晴らしい音楽家たちだと思う。

(1)「Tributary」
アルバム収録版ではビル・フリゼールを加えったカルテットとなっている。

収録10曲のうち(5)「Echo」のみラージとホルヘ・ローダーの共作、あとはすべてラージのオリジナル。(7)「Temple Steps」ではビル・フリゼールはバリトンギターを演奏している。

ジュリアン・ラージのフレーズはどれもがアイディアに溢れており、ニュアンス豊かで滋味深い。
ギターという楽器の面白さ、即興音楽の楽しさ、音やリズムで遊ぶことの感動が静かな波になって押し寄せてくる。そんな素晴らしいアルバムだ。

(2)「Word For Word」

早熟の天才ギタリスト

ジュリアン・ラージ(ジュリアン・レイジと表記されることも多いが、実際の発音は“ラージ”に近い)は1987年カリフォルニア州サンタローザ生まれ。早熟のギタリストとして知られており、8歳の頃に短編ドキュメンタリー映像『Jules at Eight』でその才能を世に知らしめ、9歳でカルロス・サンタナと共演、12歳のときにはグラミー賞に出演している。

2008年にバークリー音楽大学を卒業、翌年デビューアルバム『Sounding Point』をリリース。以降は多作家として次々に素晴らしい作品を送り続けている。
2021年にジャズの老舗ブルーノート・レコードから『Squint』を発売。今作は同レーベルからの2枚目となっている。

(6)「Chavez」

Julian Lage – guitar
Dave King – drums
Jorge Roeder – bass

Guest :
Bill Frisell – guitar

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