エレクトロ・スウィング王者Tape Five、酔狂の新作『Both Sides of the Moon』

Tape Five - Both Sides of the Moon

エレクトロ・スウィングの魅力が凝縮されたTape Five 新譜

まもなく活動開始から20周年を迎えるエレクトロ・スウィングのパイオニア、テイプ・ファイヴ(Tape Five)が8枚目となるアルバム 『Both Sides of the Moon』をリリースした。今作も変わらずレトロなスウィング・ジャズとダンサブルなエレクトロ・サウンドの完璧な融合が楽しく、リスナーを細胞レベルで元気づけてくれる最高のアルバムだ。

今作ではオリジナルの他、ルイ・アームストロングが歌ったことで知られるサム・サード(Sam Theard)作の(1)「You Rascal You」や、カントリー・ミュージックの巨匠ハンク・ウィリアムズ(Hank Williams)作の(8)「Jambalaya」、スコットランド出身のSSWジェリー・ラファティー(Gerry Rafferty)の1978年のヒット(12)「Baker Street」という絶妙に渋いカヴァーも。

(8)「Jambalaya」

時空を超えて21世紀に蘇ったスウィング・ジャズ。現代の音にアジャストしながらも、この気分の楽しさはおそらく20世紀前半当時のダンスホールの雰囲気に通じるものなのだろう。Tape Fiveの音楽を聴いているとジャズは確かにダンス・ミュージックだったのだと思い知らされる。

エレクトロ・スウィング・ブームの火付け役、Tape Five

テイプ・ファイヴ(Tape Five)は2003年に作曲家/音楽プロデューサーのマーティン・スタートハウゼン(Martin Strathausen)によってドイツで結成された。初期はスウィングジャズ、ボサノヴァ、ラテン音楽の要素が濃かったが、次第に“エレクトロスウィング”と呼ばれるジャンルを確立していき、そのジャンルを代表するグループに。バンド名は、言わずと知れた5拍子のジャズの名曲テイク・ファイヴ(Take Five)の捩りだ。

彼らの音楽性はまさにスウィング・ジャズ×現代のエレクトロニカ・ミュージック、つまり“エレクトロ・スウィング”で、その王道サウンドは右に出る者はいない。
基本四つ打ちのバスドラムに、スウィングするリズム、サックスやトランペットのオブリガートと呼ばれる合いの手(=対旋律、カウンターメロディ)を多用しレトロなジャズの痺れるようなかっこよさを現代感覚で発信している。

Tape Five - Both Sides of the Moon
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