ミナス現代ジャズの中心で活躍する姉妹、瑞々しくも豊穣な初のデュオ作『Seiva』

Duo Mitre - Seiva

ミトリ姉妹、初のデュオ・アルバム

ブラジル・ミナスジェライスの若手音楽家たちの作品に頻繁にクレジットされる二人──ピアニスト/作曲家のルイーザ・ミトリ(Luísa Mitre)と、打楽器/ヴィブラフォン奏者のナタリア・ミトリ(Natália Mitre)姉妹が、デュオ“Duo Mitre”としての初のアルバム『Seiva』をリリースした。
ジャズ、クラシック、そしてブラジルの伝統音楽の要素が瑞々しい感性でまとめ上げられており、二人の幼い頃からの精神的な強い絆も感じさせてくれる素晴らしい作品に仕上がっている。

姉ルイーザの端正なピアノに、ヴィブラフォンやマリンバ、パンデイロやビリンバウ、コンガなど多彩な打楽器で彩りを加える妹ナタリアというのが基本的な構成だが、数多くのパーカッションが登場し、さらに楽曲自体のバリエーションも豊かで楽曲ごとに異なる様々な表情が楽しめる。そんな中でも一貫してリズムの特徴的なアクセントなどにブラジルらしい豊かさが感じられるし、さらにはミナスらしい透明な美しさも備え、多幸感あふれるサウンドに心から酔える内容だ。

アルバムには二人のデュオ演奏だけでなく、数曲で素晴らしいゲストも参加している。
(1)「O Pulo do Saci」にはイスラエル出身のクラリネット奏者アナット・コーエン(Anat Cohen)、ルイーザが鬼才作曲家/フルート奏者レア・フレイリ(Léa Freire)のために書いた(3)「Esperança」にはレア・フレイリ本人、(4)「Bambu」にはエルメート・パスコアールとの共演などで知られるヴァイオリン奏者カロル・パネッシ(Carol Panesi)、そして表題曲(6)「Seiva」には人気クラリネット奏者ジョアナ・ケイロス(Joana Queiroz)が迎えられ、それぞれが個性的で素晴らしい演奏を披露。

カロル・パネッシ(Carol Panesi)がヴァイオリンでゲスト参加する(4)「Bambu」。
星が降るようなヴィブラフォンの美しい音も印象的だ。

ほとんどの楽曲はルイーザの作曲で、(2)「Brumana」のみ姉妹二人での共作。
(3)「Esperança」には姉妹の叔父でベーシストであり、音楽的なメンターでもあるキコ・ミトリ(Kiko Mitre)がダブルベースで参加している。

(2)「Brumana」

Duo Mitre :
Luísa Mitre – piano
Natália Mitre – percussions, vibraphone, marimba

Guests :
Anat Cohen – clarinet (1)
Kiko Mitre – contrabass (3)
Léa Freire – flute (3)
Carol Panesi – violin, voice (4)
Joana Queiroz – clarinet (6)

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