ブラジル北東部音楽新世代。ペドロ・インヂオ・ネグロ 初のフルレンス作『Livrai-nos Do Mal』

Pedro Indio Negro - Livrai-nos Do Mal

高揚感あるリズムに乗せて歌うSSWペドロ・インヂオ・ネグロ

ブラジル北東部パライバ州のシンガーソングライター、ペドロ・インヂオ・ネグロ(Pedro Indio Negro)初のフルレンス・アルバム 『Livrai-nos Do Mal』は、アフロ・ブラジルの伝統的な音楽にファンクやロックの影響を交えた優れた作品だ。

リードトラックである(1)「Pavão Real」は非常に印象的な傑作。過去にFlor de Pedra名義のEP『Flor de Pedra』(2017年)などでも別アレンジで歌われている彼の代表曲で、歌詞は宗教や暴力の問題について次のように力強く歌われる:

パーティを解散させたのは
仲間たちでも自分自身でもなかった
それは無神論者の子供たちの
神聖な無知だった

(中略)

喉の中で鳥が鳴いた、鳴いた
歌え、歌え、鷲よ、王家の孔雀よ
彼らが歌えば、すべての善が喜ぶ
歌え、我が愛の鳥よ、我らを悪から救い出せ

Pavão real – Flor de pedra
(1)「Pavão Real」

パライーバの音楽一家に育った Pedro Indio Negro

ペドロ・インヂオ・ネグロは音楽一家に生まれた。母親は歌手のグラウシア・リマ(Glaucia Lima)、父親はシンガーソングライターのペドロ・オズマール(Pedro Osmar)。兄妹も音楽家だ。
ペドロ・インヂオ・ネグロもティーネイジャーの頃、母親のステージのバッキング・ヴォーカリストとして初めてステージに立ったという。

それから十数年が経過した現在。彼はシンガーソングライターとして大きく成長し、アルバムのバッキング・ヴォーカリストとして母親や妹も参加した格好となっている。

音楽的な影響源はパライーバの先人であるカチア・ヂ・フランサ(Cátia de França)、父親のバンドであるジャグァリベ・カルネ(Jaguaribe Carne)、さらにはMPBの巨匠ジルベルト・ジル(Gilberto Gil)、そしてブラジル北東部の伝統音楽をレゲエやヒップホップと融合させ人気となったバイアーナ・システム(Baiana System)などのアーティストから見てとれる。
そしてペドロ・インヂオ・ネグロもまた、パライーバの伝統音楽とアフロ・ブラジルの文化を探求し、自分自身の新たな音楽表現を模索している。

(2)「Dos Dois」

Pedro Indio Negro – vocal, guitar
Rafael Chaves – guitar
Lucas Gaião – guitar
Saulo Soares – drums, percussion
Lucas Benjamin – percussion (1)
Rodrigo Melo – percussion (1)
Rhuan Pacheco – bass
Helinho Medeiros – keyboards
Emanoel Barros – trumpet
Marlon Barros – trombone
Gilbert Monteiro – saxophone
Glaucia Lima – backing vocal
Manu Lima – backing vocal
Amorim – backing vocal

Pedro Indio Negro - Livrai-nos Do Mal
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