レバノンの多作音楽家 Charif Megarbane による新作
ソロ・プロジェクト、Cosmic Analog Ensembleで知られるレバノン・ベイルートのマルチ奏者/作曲家シャリフ・メガルバン(Charif Megarbane)の新作『Marzipan』は自然と心を躍らせてくれる最高のエキゾ・サイケ・ジャズ・ファンクだ。中東、アフリカ、インド、ブラジルなどの音楽的な特徴が曲によって次々と顔を覗かせては、目まぐるしく場面を転換させていく。全18曲の楽曲はいずれも2〜3分程度で恍惚のうちにフェードアウトし、すぐに次なる世界が現れる。
ドラムス、パーカッション、エレクトリック・ベースでグルーヴを作り、上物はキーボードやギター、シンセといった典型的なジャズ・ファンクの構成だが、民族楽器や民族的な音階も頻出するサウンドは楽しげに混沌としており、色彩入り乱れる露天市場の様相。そのいなたさは一周回ってめちゃめちゃ格好良いし、プリミティヴな音楽の喜びが溢れ、零れ出しそうだ。
音楽的な影響源はレバノンの作曲家ジアド・ラバーニ(Ziad Rahbani)やアルジェリアの作曲家アーメド・マレク(Ahmed Malek)、レバノンのSSWイサム・ハジャリ(Issam Hajali)らから受けているとのこと。
本作はアラブ圏の知られざるレアグルーヴ/ファンクを発掘・復刻するレーベル、Habibi Funk から純粋な新作としてリリースされた。