カナリア諸島が生んだ“秘密兵器”。天才的ギタリスト、オクタビオ・エルナンデス新譜『Mas』

Octavio Hernandez - Mas

オクタビオ・エルナンデスによるギタートリオ傑作

大西洋のスペイン自治領カナリア諸島出身、現在はバルセロナで活動するギタリスト/作曲家オクタビオ・エルナンデス(Octavio Hernandez)によるギタートリオ作品『Mas』は、現代的かつ先鋭的なギターサウンドが爽快なジャズだ。ベースにはバシーレ・ラオラ(Basile Rahola)、ピエール・ユルティ(Pierre Hurty)というここ数年活動を共にするメンバーを迎え、コンテンポラリー・ジャズの最先端を行く演奏を聴かせてくれる。

1977年生まれ。独学でギターを始め、2001年にバルセロナに移住。以降、長い間“ギター発祥の国スペインの最大の秘密のひとつ”と称えられ、2017年に謎めいたタイトルのアルバム『Tuna Happiness』でデビューし、グナワ音楽、アフロビート、ロック、ブラジル音楽、さらには電子音楽のエッセンスも取り入れた万華鏡のようなサウンドを提示してみせたオクタビオ。今回、そのデビュー作から共演者はがらっと変えてきたが、その熱量は相変わらず凄まじいものがある。

どの曲を聴いても、推進力となっているのはオクタビオのギターだ。特にソロでの流れるようなフレージングは鮮やかで見事。そして彼のギターに完璧に絡みつき、自由なアイディアでアンサンブルを盛り上げるベースのバシーレ・ラオラの存在感も随所で際立っている。彼らの知名度は決して高いとは言えないが、現在のヨーロッパのジャズ・シーンでも傑出したプレイヤーであることを確信する。

(8)「Fofoca」

Octavio Hernández – guitar
Basile Rahola – double bass
Pierre Hurty – drums

Guests :
Wajdi Riahi – keyboards (2)
Beatriz Alonso – backing voices (8)

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