ナイジェリアの歌手JazzZと、ジンバブエのプロデューサーTentenの共同名義作
ナイジェリアのヴォーカリストJazzZと、ジンバブエのプロデューサーTentenの共同プロジェクトによる初のリリース『Absinthe』。ジャズ、R&B、ヒップホップ、ソウルなどの影響がバランスよく織り込まれたそれぞれ短めの14のトラックはどれも清涼で洗練されており、心地よい時間へとリスナーを誘う。
JazzZのヴォーカルはどこか儚げだが芯の強さも感じさせる魅力的な表現力で、ゆったりとグルーヴする(1)「Rave」から本作の世界観を十二分に伝えている。サウンドはサンプリングが多用されているがその手触りはオーガニックで、Tentenの過去作と比較しても随分と余計なものを削り落としたスマートなサウンドになっており、彼のジャズへの拘りが感じられるものとなっている。
今作には4人の個性的なゲストも参加している。2021年にTentenと共同名義のアルバム『Ashigaru』(足軽)をリリースしたJayPlussや、米国のラッパーナッピー・ニーナ(Nappy Nina)、同じく米国のビートメイカー/ヴォーカリストのウェイヴィ・べーグルズ(Wavy Bagels)、そしてラッパーのLungs。彼らが持ち込む多様性が、今作をより魅力的なものにしている。