セルジオ・サントス、ハファエル・アルテリオ、マイラ・マンガ共同名義の新譜『Cortejo』
ミナスのSSWセルジオ・サントス(Sergio Santos)と歌手マイラ・マンガ(Maíra Manga)、そしてサンパウロのSSWハファエル・アルテリオ(Rafael Altério)の共同名義によるアルバム『Cortejo』がリリースされた。ゲストでブラジルを代表するピアニストのアンドレ・メマーリ(André Mehmari)や歌手モニカ・サウマーゾ(Mônica Salmaso)も一部楽曲に参加しており、ブラジル音楽ファンにとって見逃せない作品となっている。
マイラ・マンガのデビュー・アルバム『Lá』(2021年)は、その収録曲のすべてを書き下ろしたという点でミナスで最も重要な音楽家の一人であるセルジオ・サントスの新作といってもあながち間違いではない優れた作品だった。『Lá』ではロシアのサンクトペテルブルク・スタジオ・オーケストラ(St. Petesburg Studio Orchestra)を軸に室内楽的な深みのあるサウンド・表現が際立っていたが、今作では引き続きサンクトペテルブルク・オーケストラを数曲で起用しながらもブラジルらしいパーカッションによるリズムが強調された曲も増え、前作からの大きな変化と言えるだろう。ヴォーカルはセルジオ・サントス、マイラ・マンガ、そしてハファエル・アルテリオがそれぞれのパートを受け持ち複雑かつ親しみやすいヴォーカル・アンサンブルを披露。
演奏陣も日本でもその名をよく知られたトップレベルの音楽家が集う。
ヴィオラ・カイピーラとコントラバスにネイマール・ヂアス(Neimar Dias)、アコーディオンにトニーニョ・フェハグッチ(Toninho Ferragutti)、フルートにテコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)など。セルジオ・サントス曰く、このアルバムは「深いブラジルを表している」という。「このアルバムは、可能性に満ちたこの宇宙がいかに豊かで、広大で、寛大であるかを明らかにしている」。
アルバムの収録曲はセルジオ・サントスとハファエル・アルテリオそれぞれが半数ずつ楽曲を持ち寄っている。セルジオ・サントス作曲のものでは(6)「Abrindo o Caminho」や(7)「Cacique Raoni」、ハファエル・アルテリオ作曲では(4)「Amado」や(11)「Água de Chuva」などが特に情感豊かで素晴らしい仕上がり。
Neimar Dias – viola caipira, contrabass
Toninho Ferragutti – accordion
Teco Cardoso – flute
Wanessa Dourado – violin
Adriana Holtz – cello
Luiz Guello – percussion
Sergio Santos – guitar, vocal
Maíra Manga – vocal
Rafael Altério – vocal
St. Petesburg Studio Orchestra
Guests :
André Mehmari – piano (7, 9, 11)
Mônica Salmaso – vocal (9)