ブエノスアイレス発のネオソウル・バンド、NAFTAの2nd
アルゼンチン・ブエノスアイレスを拠点とするネオソウル・バンド、NAFTAの2ndアルバム『NAFTA II』が良い。ファンクを基調とした重いグルーヴに男女ヴォーカル、ジャジーな鍵盤や木管、サウンドを随所で彩る見事なアレンジのストリングス。スペイン語で歌われることを除けば所謂“南米らしさ”はほとんどないが、世界を見渡してもこれほど良質なソウル系のバンドはなかなかいない。
NAFTAは2016年に、ミリタンテス・デル・クリマックス(Militantes del Clímax)の元メンバーで作曲とリードヴォーカル、ギターそしてフルートを担当するマガンモ(Magãmo)ことガルシア・モリナリ(García Molinari)によって結成された。以来、幾度ものセッションやツアーを重ね国内で徐々に人気を獲得。2019年にデビューアルバム『Nafta』をリリースするとSNSを通じてその人気は爆発的に広まっていった。
NAFTAの楽曲はポジティヴなフィーリングに溢れている。マガンモによると、その雰囲気を作るのは、短期間の関係性でしかないセッション・ミュージシャン同士ではなく、長年ともに演奏し、ツアーの会場間をバスで移動したりする中で生まれる“家族のような”バンドでの絆からくる魔法のようなものだという。
アルバムはどの曲も素晴らしい。もっと言えば、とてつもなく丁寧に、誠実に作られたものばかりだ。合計で40分ほどの12の楽曲は、それぞれが何らかの形で絡み合い、ひとつの物語を作っている。中心的なトピックは、感情的な絆とそれに伴う対立。それらは比喩ではなく、話し言葉のように直接的でシンプルかつ繊細な表現で繋がれていく。YouTubeではまるで短編映画のような、それらのコンセプト映像も提供されており、より彼らの世界観に没入することができる。
NAFTA :
Magãmo – guitar, flute, vocal
An Espil – vocal
Abril Olivera – vocal
Simón Grunblatt – keyboards
Brian Vainberg – bass
Toni Sanchez – drums
Manquel Tito lo Presti – sampler
Guillermo Willy Avender – saxophone, EWI
Agus Ruiz Panelo – percussion
Marito Burgueño – management
Guests :
Papacho Valentino – trumpet (8)
Strings :
Rafael villazon – direction
Guillermo Rubino – violin
Maria laura bertero – violin
Natalia cabello – violin
Rodrigo Beraldi – violin
Carla Regio – viola
Marcela Muollo – cello
Lucas Argomedo – cello, direction (7)
Mariano Malamud – viola (7)
Sara Ryan – violin (7)
Cecilia García – violin (7)
Sara Ryan – violin (10)
Paula Pomeraniec – cello (10)