ヌビヤン・ツイスト新作『Find Your Flame』
英国の多国籍ジャズ・コレクティヴ、ヌビヤン・ツイスト（Nubiyan Twist）が4枚目となるアルバム『Find Your Flame』をリリースした。今作でまず特筆すべきはバンドに新たに加入したヴォーカリスト、アジザ・ジェイ（Aziza Jaye）だ。アルバム冒頭(1)「Battle Isn’t Over」から、ゆったりとしたBPMだが素晴らしく躍動するバンド演奏に乗せて彼女のグルーヴ感に優れたヴォーカルに圧倒され、すぐに名盤と確信できる内容だ。
続くアシッドジャズ(2)「Lights Out」には米国のギタリスト、ナイル・ロジャース（Nile Rodgers）が参加し、存在感のあるカッティングでグルーヴに彩りを加え、ここでもアジザ・ジェイのヴォーカルが圧倒的に場を支配している。
(6)「Carry Me」にはフェラ・クティの息子であるシンガー/アルトサックス奏者シェウン・クティ（Seun Kuti）がフィーチュアされ、ダブの要素も持ち込まれたサウンドで魅了する。
(7)「So Mi Stay」はピアノのジャジーなバッキングが印象的な楽曲。アジザ・ジェイのラップも素晴らしい。
(12)「Slow Breath」にはマリのヴォーカリスト、ママニ・ケイタ（Mamani Keïta）がゲスト参加。複雑に絡み合う洗練されたリズムと、ママニの力強いヴォーカルに呼応するようなホーン・セクション、それらを包み込むようなローズ・ピアノのサウンドが極上だ。
ヌビヤン・ツイスト（Nubiyan Twist）は2011年にウェスト・ヨークシャーリーズのリーズ音楽大学でギタリスト/作曲家のトム・エクセル（Tom Excell）を中心に結成され、2015年に最初のアルバム『Nubiyan Twist』をリリースした9人組のバンド。ジャズ、ソウル、ヒップホップ、アフロビートなどを俯瞰し、抑制的かつ情熱的なサウンドに落とし込み、以降イギリスのジャズシーンをリードするグループとして存在感を増している。