伊巨匠エンリコ・ピエラヌンツィ、若き俊英フルート奏者率いるトリオとの共演新譜『Heroes』

Enrico Pieranunzi & Aldo Di Caterino ensemble - Heroes

Enrico Pieranunzi & Aldo Di Caterino ensemble『Heroes』

イタリアの巨匠ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が、同国の若き俊英フルート奏者アルド・ディ・カテリーノ(Aldo Di Caterino)率いるトリオとの共演作『Heroes』をリリースした。アルバムにはバンドのメンバー4人それぞれが持ち寄ったオリジナルが収録され、イタリアを代表するベテランと若手トリオという世代を超えた素晴らしいジャズ・アンサンブルを楽しむことができる好盤となっている。

アルド・ディ・カテリーノは冒頭のハード・バップ(1)「Travel to the other side」とイタリアらしい叙情性を湛えた(7)「Aldo’s tune」を作曲。ベーシストのカルロ・バヴェッタ(Carlo Bavetta)が(3)「L’attesa da un balcone」を、そしてドラマーのチェーザレ・マンジョカヴァッロ(Cesare Mangiocavallo)が(4)「Stretch」をそれぞれ書いており、残りの4曲はピエラヌンツィ作。個人的にはやはりピエラヌンツィの楽曲が持つ創造性や個性、物語性はほかを圧倒しており、このアルバムの一番の聴きどころだと感じる。

疾走感のある(1)「Travel to the other side」

Enrico Pieranunzi 略歴

ピアニスト/作曲家のエンリコ・ピエラヌンツィは1949年イタリア・ローマ生まれ。父親はジャズギタリストで、エンリコもまた幼い頃から音楽を学んだ。クラシックのピアニストとして1973年に音楽の教授となったが、1975年には教育現場を去り、ジャズのトリオや小規模アンサンブルで演奏するようになった。

これまでに数多くの作品を録音しており、ジム・ホール(Jim Hall)、マーク・ジョンソン(Marc Johnson)、チャーリー・ヘイデン(Charlie Haden)、ジョーイ・バロン(Joey Baron)、チェット・ベイカー(Chet Baker)といったレジェンドたちと演奏を共にしてきている。

ピエラヌンツィらしい作曲技法のワルツ(8)「Se un’altra volta un giorno」

Aldo Di Caterino 略歴

フルート奏者/作曲家のアルド・ディ・カテリーノはイタリア・バーリ生まれ。幼少期から音楽に親しみ、8歳の頃からフルートをメインの楽器とし、ジャズやブラジル音楽に影響を受けてきた。

バーリのニコロ・ピッチーニ音楽院を卒業。2023年にオリジナルのほか、パット・メセニーのカヴァーやブラジル、アルゼンチンの楽曲も取り入れた最初のアルバム『Amorè』をリリースした。

Enrico Pieranunzi – piano
Aldo Di caterino – c flute, alto flute
Cesare Mangiocavallo – drums
Carlo Bavetta – double bass

関連記事

Enrico Pieranunzi & Aldo Di Caterino ensemble - Heroes
Follow Música Terra