今再び、悪魔の降臨。ファンファーレ・チョカルリア&エイドリアン・ラソ 10年ぶり最強タッグ復活!

Fanfare Ciocărlia & Adrian Raso - The Devil Rides Again

Fanfare Ciocărlia & Adrian Raso 新譜『The Devil Rides Again』

2014年作『Devil’s Tale』での世界的な成功をを経て、ルーマニアのブラスバンド、ファンファーレ・チョカルリア(Fanfare Ciocărlia)と、カナダのギター/バンジョー奏者エイドリアン・ラソ(Adrian Raso)が再びタッグを組んだ。彼らの新作『The Devil Rides Again』にはオリジナル8曲とカヴァー3曲を収録。爆発的なバルカンブラスと、ロカビリーやマヌーシュ・ジャズを融合したまさに“悪魔的な”サウンドで、世界を再び酔狂させる。

今作で彼らは、前回のコラボレーション時よりも明らかにその音楽性を拡張している。
典型的なバルカンブラスだけでなく、サーフロックを取り入れた(3)「The Devil Rides Again」、イタリア映画を思わせるタランテラの(9)「Tarantella」、バルカン風ツイスト(11)「Transylvania Twist」なんてものまで。
このアルバムの収録曲はそれぞれが個性的で濃いが、しかしどの曲も踊れる──何も考えずに踊れる、それが一番大事だ。

(3)「The Devil Rides Again」

オリジナルだけでなく、彼ら独自の色に染め上げたカヴァーも魅力的。ドリー・パートン(Dolly Parton)のカントリー・クラシック(2)「Jolene」、スペンサー・デイヴィス・グループ(The Spencer Davis Group)のカヴァー(6)「I’m A Man」、さらには彼らが敬愛するヒーロー、ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)の(7)「Blue Drag」といった楽曲の再解釈はどれも新鮮。

ファンファーレ・チョカルリアの代名詞である“超高速ブラス”を期待すると若干肩透かしを喰らうかもしれないが、旋律に寄り添い、どこか哀愁も漂う、人間的で愛すべき音楽がここにある。

ジョー・マイロウ(Joe Myrow)が作曲し、ジャンゴ・ラインハルトの演奏で知られる(7)「Blue Drag」

ロマの伝統を受け継ぐブラスバンド、Fanfare Ciocărlia

ファンファーレ・チョカルリア(ファンファーレ・チョカリーアとも表記される)は元々はロマの人々が多く住むルーマニア北西部の人口400人程度の小さな村ゼチェ・プラジニ(Zece Prăjini)で地元の結婚式や洗礼式などで演奏するアンサンブルだったが、村を訪れたドイツ人プロデューサーにその才能と可能性を見出され1997年にファンファーレ・チョカルリアとして正式にバンドを結成し翌年に『Radio Pascani』でデビュー。生活用品そのものの凸凹の楽器を携えて世界中をツアーし瞬く間に大人気となった。

彼らの成功の物語はドキュメンタリー映画『炎のジプシーブラス 〜地図にない村から〜』(2002年)でも描かれている。

幅広く個性的な音楽性の弦楽器奏者、Adrian Raso

ギターやバンジョー、マンドリン、エレクトリック・ベースも担当するエイドリアン・ラソは1972年カナダ・オンタリオ州グエルフ生まれ。若い頃からトロントのクラブでの演奏を通じてギターの名手として名を馳せており、ジプシージャズを基盤にロカビリー、フラメンコ、スウィング、ワールドミュージックを融合した音楽性で知られている。

2014年にリリースされたファンファーレ・チョカルリアとのアルバム『Devil’s Tale』をプロデュースし、この作品はヨーロッパのワールドミュージックチャートで1位を獲得。さらにトップ1024に3か月間留まり、ドイツレコード評論家賞を受賞した。

Adrian Raso – guitar, banjo, mandolin, electric bass
Costel Oprica Ivancea – alto saxophone
Costica “Cimai” Trifan – trumpet, vocals
Laurentiu Mihai Ivancea – tenor horn
Constantin Calin – bariton horn
Mihaita Sergiu Nastase – helicon
Paul Benedikt Stehlescu – drums, percussions
Mike Rao – upright bass

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