ホジェリオ・カエターノ新譜『Regional do Caetano』
ブラジルを代表する7弦ギタリストであり作曲家のホジェリオ・カエターノ(Rogério Caetano)が、ショーロに根差した新譜『Regional do Caetano』をリリースした。収録の8曲はいずれも圧倒的に優れた音楽センスと演奏力で彩られており、伝統的なブラジルの音楽を現代的に甦らせた素晴らしい作品だ。
今作は左利きのカヴァキーニョ奏者カニョート(Canhoto, 本名:Waldiro Frederico Tramontano, 1908 – 1987)が率いるショーロの伝説的なグループ、ヘジョナウ・ド・カニョート(Regional do Canhoto)1にインスパイアされており、アルバムタイトルもその捩りとなっている。ホジェリオはショーロの伝統を敬い、その遺産を受け継ぐ形でアルバムを制作した。
ホジェリオ・カエターノは、インタビューでこのアルバムの制作について「ショーロとブラジル音楽の歴史に根本的な役割を果たしたグループへのオマージュ」と語っており、伝統を継承しつつ独自の革新的なアプローチを加えたと説明している。
楽曲はどれもスタンダードかと思うほど親しみやすく、ショーロの歴史に新たなページを刻む作品として推薦したい内容だ。
Rogério Caetano – 7-string guitar
Ana Rabello – cavaquinho
Luis Barcelos – bandolim
Magno Júlio – percussion
Marcus Thadeu – percussion
Guests :
Durval Pereira – percussion
Zé Leal – percussion
Edu Neves – saxophone
Aquiles Moraes – trumpet, fulgelhorn
Everson Moraes – trombone
Bebê Kramer – accordion
Rafael Meninão – accordion
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- ヘジョナウ・ド・カニョート(Regional do Canhoto)…伝統的なショーロのスタイル「ヘジョナウ」を演奏したグループ。7弦ギタリストのヂノ・セッチ・コルダス(Dino 7 Cordas, 1918 – 2006)など著名音楽家が所属し、さらにジャコー・ド・バンドリン(Jacob do Bandolim, 1918 – 1969)の伴奏を務めるといった活躍をし、全国的なショーロの普及に寄与した。 ↩︎
 
  