円熟のベーシスト、マーティン・ウィンドが巨匠ケニー・バロン擁するカルテットで豊かに描くジャズ

Martin Wind - Stars

マーティン・ウィンド・カルテット新譜『Stars』

ドイツ出身のベーシスト/作曲家、マーティン・ウィンド(Martin Wind)が、ジャズの名手たちを集めたカルテットで語り合うように音を紡ぐアルバム『Stars』をリリースした。ピアノにケニー・バロン(Kenny Barron)、クラリネットにアナット・コーエン(Anat Cohen)、ドラムスにはマット・ウィルソン(Matt Wilson)というオールスター級のメンバーを揃え、音楽の悦びが静かに滲むようなインタープレイが素晴らしい作品となっている。

アルバムにはマーティン・ウィンドのオリジナルと、スタンダードなどカヴァーがバランスよく収録されている。デューク・エリントンによる(3)「Black Butterfly」と(6)「The Feeling of Jazz」、バド・パウエルの(5)「Wail」といった曲のほか、ブラジルの至宝エドゥ・ロボ作曲の(7)「Pra Dizer Adeus」という選曲も面白い。

古いスタンダードである(9)「Stars Fell on Alabama」は今作のハイライトだろう。ケニー・バロンの含蓄のあるピアノに包まれながら、優しい音色のアナット・コーエンのクラリネットが美しい。

YouTubeでは、今作未収録の「Moon and Sand」の映像が公開されている。

マーティン・ウィンドのベースは全体を見守るように、寛大に低音を支える。ときにメロディーを弾いたりソロをとるが、それは主張ではなく、優しい語りのよう。マット・ウィルソンのドラムスも同じようにニュアンス豊かに温かくリズムを支える。長年の信頼関係によって築かれた、円熟の極みのような極上のジャズとなっている。

今作はジャズ・レーベル Newvelle Records の設立10周年を記念するシリーズ「Newvelle Ten」の第1弾として、2026年1月30日にリリースされた。

Anat Cohen – clarinet
Kenny Barron – piano
Martin Wind – bass
Matt Wilson – drums

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