旅する音楽家エンツォ・ファヴァータ新譜『Paucartambo』
強烈な印象を残すジャケット写真は、ペルー南部クスコ地方の町パウカルタンボで毎年7月中旬に行われるビルヘン・デル・カルメンの祭り(Fiesta de la Virgen del Carmen)の様子だ。カトリックの聖母崇敬とアンデス先住民の信仰が混交したこの祝祭では、鮮やかな衣装や仮面を纏った人々が舞い踊りながら祈り、音楽や行列、花火がまるで“生きた劇場”のように町全体を埋め尽くすという。
イタリア・サルデーニャ島出身で、同国を代表するマルチ木管奏者であるエンツォ・ファヴァータ(Enzo Favata)の2026年新譜『Paucartambo』は、世界各地を旅しながら様々な音楽の要素を取り入れ、音楽的な進化を続ける彼の現在の到達点だ。今作も文化混交プロジェクト「The Crossing」の最新形として、ジャズを基調に、それと同じくらいには彼の音楽の大部分を占めるライヴ・エレクトロニクスの融合した独自の音楽を展開する。
バンドはピアノのファビオ・ジャキーノ(Fabio Giachino)、ヴィブラフォンのパスクアーレ・ミーラ(Pasquale Mirra)、そしてドラマーのマルコ・フラッティーニ(Marco Frattini)によるカルテット編成。アルバムの一部にはイタリアからもペルーからも遠いインドの音楽文化も取り入れられており、(3)「Mumbai Train」には現代のカルナティック音楽の旗手ともいえる二人、ビンドゥマリニ(Bindhumalini)とヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパル(Varijashree Venugopal)がゲストで参加している。
Enzo Favata – soprano saxophone, bass clarinet, electronics
Fabio Giachino – piano
Pasquale Mirra – vibraphone, marimba
Marco Frattini – drums
Guests :
Bindhumalini – vocal (3)
Varijashree Venugopal – vocal (3)