- 2021-07-17
- 2022-01-15
ジャズベースのニューヒロイン、セレーネ・サン=エメ 注目のデビュー作
ギリシャ神話の月の女神セレーネに因んで名付けられたベーシスト/ヴォーカリスト/作曲家セレーネ・サン=エメ(Sélène Saint-Aimé)は、伝統的なジャズとフリージャズ、さらに現代的な音楽の感性も持ち合わせたラテン語で「波の海」(月の海のひとつ)を意味するデビュー作『Mare Undarum』を2020年にリリースした。
ギリシャ神話の月の女神セレーネに因んで名付けられたベーシスト/ヴォーカリスト/作曲家セレーネ・サン=エメ(Sélène Saint-Aimé)は、伝統的なジャズとフリージャズ、さらに現代的な音楽の感性も持ち合わせたラテン語で「波の海」(月の海のひとつ)を意味するデビュー作『Mare Undarum』を2020年にリリースした。
ピアニスト/作曲家のドミトリー・イルグディン(Dmitry Ilugdin)をリーダーとするロシアのピアノトリオ、イルグディン・トリオ(Ilugdin Trio)による3枚目のアルバム『My Story』は、オーソドックスなピアノトリオ編成で紡ぎ出す極上のメロディーとハーモニーが素晴らしい作品だ。
ここ数十年、日本のジャズ市場を力強く牽引してきた大阪のインディーズ・レーベル、澤野工房が2021年6月末、ついに熱望されていたSpotifyやApple Musicなどのサブスクリプション型音楽配信サービスへの音源提供を解禁。さらに看板アーティストのひとり、トヌー・ナイソーの新譜がデジタル限定でリリースされた。
ドイツの音楽シーンで活躍する4人のミュージシャンが集い結成したジャズバンド、マリアージュ・マテリアル(Marriage Material)がセルフタイトルのデビュー作『Marriage Material』をリリースした。アルバムには結婚式に因んだ皮肉っぽいタイトルの楽曲が18曲。
フランス・リヨンを拠点に活動するピアノトリオ、フェーン・トリオ(Foehn Trio)。イスラエルジャズからの影響が色濃く反映されていたデビュー作『Magnésie』に続いてリリースされた2枚目のアルバム『Highlines』は、前作の雰囲気を継承しつつもより個性や現代的な音楽を模索。シンセやエフェクターの利用も増え、多彩な音を楽しめる作品に仕上がっている。
スウェーデンを代表するコントラバス/チェロ奏者/作曲家ラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson)の“Liberetto”グループでの第4作目となる新譜『Cloudland』がリリースされた。これまでの作品でもヨーロッパ周辺諸国の音楽文化を取り込み、独自の“北欧ジャズ”を築き上げてきたラーシュ・ダニエルソンだが、今作もスケールの大きな傑作に仕上がっている。
ノルウェー出身のカンテレ奏者/SSWのシニッカ・ランゲラン(Sinikka Langeland)によるソロ作品『Wolf Rune』は、フィンランド発祥のツィター属の楽器カンテレの音色と、神秘的で美しい歌声が美しく響くECMらしいサウンドのアルバムだ。
イタリアのピアニスト、シャーデー・マンギアラシーナ(Sade Mangiaracina)の新譜『Madiba』は、アパルトヘイト撤廃を導いた南アフリカの偉大な指導者ネルソン・マンデラに捧げられている。ピアノトリオ編成を軸に、ゲストにチュニジアのウード奏者も迎え最大限の敬意をもって強い情熱と痛みに満ちたマンデラの人生を真摯に描き出す。
ドイツ・ミュンヘンの若きギタリスト、フィリップ・シーペック(Philipp Schiepek)と、同じくミュンヘンの大ベテラン・ピアニスト、ウォルター・ラング(Walter Lang)の初デュオ作『Cathedral』。33歳の歳の差の二人の素晴らしい音楽家による静かで美しい音楽の語らい。
ピアニスト/作曲家のエフゲニー・レベジェフ(Evgeny Lebedev)率いるモスクワのピアノトリオ、LRK Trio の2018年作『Urban Dreamer』。この作品の曲はLRK Trioの2017年に行われた日本ツアーに際してつくられたものだが、豊かな抒情性、サンプラーやエレクトロニカを効果的に用いた未来的なサウンド、トリオの高い演奏技術や多彩なゲストの参加など、とても面白い作品になっている。
アルセニー・ルイコフ・トリオはロシアの若きピアニスト/作曲家、アルセニー・ルイコフ(Arseny Rykov)をリーダーとするトリオで、2021年にロシア・サンクトペテルブルクのジャズレーベル「Rainy Days」からデビュー作『Forgotten Melody』をリリース。本人はロバート・グラスパーやブラッド・メルドーから多大な影響を受けたと言うが、サウンドは彼らよりさらにECM的で、内省的でリリカルな透明感が美しい。
2018年に自主制作盤『Turas』で彗星のように現れたピアニスト/作曲家、ファーガス・マクリーディー(Fergus McCreadie)の待望のセカンド・アルバム『Cairn』(2021年)。北欧ジャズの透明感、確かなテクニック、そして何よりも彼の故郷スコットランドの伝統音楽へのリスペクトが感じ取れる、ありそうでなかったスタイルが強く印象に残る。
クラシックを原点としながら、大胆なエレクトロニカやヴォイス・パーカッション、ポエトリー・リーディングや変則バンドなど様々な表現方法で毎回驚かせてくれるオーストリア出身の奇才ジャズピアニスト/作曲家、デヴィッド・ヘルボック(David Helbock)の新譜『The New Cool』。
バート・ヨリス(Bert Joris, tr)と、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi, p)による2021年のデュオ作品『Afterglow』。二人が持ち寄った曲を収録した本作はジャケットのハイウェイの写真のように都会的な印象を受ける最高級のジャズで、時にリリカルに、時にフリーに淀みなく展開されるピアノとトランペットの語り合いがこの上なく美しい。