- 2022-01-29
- 2022-01-29
冬の澄んだ空気のように深く吸い込みたくなる北欧ジャズ絶品、ヨエル・リュサリデス新譜
スウェーデンのピアニスト、ヨエル・リュサリデス(Joel Lyssarides)のピアノトリオ作品 『Stay Now』。名門ACTからリリースされた彼自身3枚目のアルバムとなる今作は、北欧ジャズの新星を強く印象づける詩的で美しい内容で、彼のキャリアにとっても大きな飛躍の一枚となるだろう。
スウェーデンのピアニスト、ヨエル・リュサリデス(Joel Lyssarides)のピアノトリオ作品 『Stay Now』。名門ACTからリリースされた彼自身3枚目のアルバムとなる今作は、北欧ジャズの新星を強く印象づける詩的で美しい内容で、彼のキャリアにとっても大きな飛躍の一枚となるだろう。
Obomanこと木管奏者のジャン=リュック・フィヨン(Jean-Luc Fillon)と、ディジュリドゥ奏者のオセロ・ラヴェス(Othello Ravez)によるジャズ・オーボエとディジュリドゥという珍しい編成のアルバム『Obodji』。スタンダードとオリジナルを半々ずつ計10曲、なかなか面白い音楽体験ができるジャズ作品だ。
前作『Finding Seagulls』(2020年)が絶賛されたデンマークのピアノトリオ、Little Northの新譜 『Familiar Places』がリリースされた。優れた詩情を醸す北欧ジャズのテイストはそのままに、今作では初めてエネルギッシュなギターと温かみのあるトランペットというゲストも得てトリオの新たな地平を開拓した意欲作となっている。
抒情的な表現が魅力のスペイン・カタルーニャ出身のピアニスト/作曲家リュイス・カプデビラ(Lluis Capdevila)の新譜『Social』は、近年のジャズのピアノトリオ作品の中でも注目されるべき一枚だ。ペトロス・クランパニス(b)、ルカ・サンタニエロ(ds)参加。
ドラマーのルイ・ムータン(Louis Moutin)、ベーシストのフランソワ・ムータン(François Moutin)の兄弟と、サックス奏者ジョウィー・オミシル(Jowee Omicil)によるトリオ作品『M.O.M』。三者が対等に自由な即興を通じて、目には見えない“対話”を積み重ねてゆく。
マット・カーマイケル(Matt Carmichael)は1999年生まれのサックス奏者/作曲家。音楽院のジャズコースで即興、作曲、編曲の3つの賞すべてを受賞した最初の学生という新星だ。2021年にアルバム『Where Will the River Flow』でデビューし絶賛された今大注目のアーティストだが、その作品を聴いてみて納得した。
デンマークの新進ヴォーカル・アンサンブル、アンサンブル・エッジ(Ensemble Edge)の『Dimma』は、ピアノトリオと透明感のあるヴォーカルを中心に、北欧やロシアの民謡とジャズを結び合わせる美しい音楽が展開される。スウェーデンの伝説的ジャズピアニスト、ヤン・ヨハンソン(Jan Johansson, 1931 - 1968)へのトリビュート作品。
ドイツの名門ビッグバンド、SWR Big Band がスウェーデンのサックス/フルート奏者マグヌス・リングレン(Magnus Lindgren)を主役のソリストに、そしてアレンジャー/ピアニストとしてジョン・ビーズリー(John Beasley)を迎え、モダンジャズの巨匠チャーリー・パーカーが作曲・愛演した名曲群を録音した新作『Bird Lives』。
北欧ジャズ(Nordic Jazz)とは、その名の通り北ヨーロッパ出身の音楽家によって演奏されるジャズのことで、メロディーやハーモニーの響きが美しく、心が洗われるような透明感が特徴的です。いわゆるスウィングと呼ばれる跳ねたリズムは北欧ジャズではほとんど見られず、緊張感よりも抒情性を重視した演奏が典型的です。
ポーランド随一のジャズヴァイオリン奏者アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が自身のカルテットに加え、イタリアの名トランペッター、パオロ・フレスらを迎え制作した新譜『Poetry』。ビューク(Björk)の名曲をカヴァーするなど野心的な作品であるとともに、彼の新たな魅力を存分に引き出す傑作になっている。
アイスランド出身のSSW/ピアニストのアンナ・グレタ(Anna Gréta)が名門ACTからソロデビュー作 『Nightjar in the Northern Sky』をリリースした。丁寧な歌とピアノとバンド・アンサンブル、随所にセンスが光るクリエイティヴィティが大きな幸福感を与えてくれる。
アルメニア系フランス人ピアニストのアンドレ・マヌーキアン(André Manoukian)の新譜『Les pianos de Gainsbourg』はセルジュ・ゲンスブールの没後30周年を記念したトリビュートアルバム。6人の女性ヴォーカリストを迎え、数々のゲンスブールの名曲を歌とピアノを中心に雰囲気たっぷりに聴かせる。
スウェーデンのギタリスト/作曲家、スザンナ・リスベリ(Susanna Risberg)の4枚目のアルバム『Boiler Room』。温かみのある音色で、音作りの面ではシンプルで奇を衒わないが、自信に満ちたプレイはアーティスティックで純粋なジャズの即興演奏への喜びに溢れている。
トリオ作などが人気のノルウェーのピアニスト/作曲家、シェーティル・ムレリド(Kjetil Mulelid)の初のソロピアノ作、その名もずばり『Piano』。ベーゼンドルファーの92鍵のグランドピアノを使用した、リリカルかつテクニカルな北欧らしい魅力的なジャズだ。