北欧若手No.1女性ギター奏者スザンナ・リズベリ、トリオで魅せる貫禄のJazz

Susanna Risberg - Boiler Room

スウェーデンの女性ギタリスト、Susanna Risberg 貫禄の4th

スウェーデンのギタリスト/作曲家、スザンナ・リスベリ(Susanna Risberg)の4枚目のアルバム『Boiler Room』(2021年)。温かみのある音色のジャズがたっぷりと堪能できるギター・ファンには堪らない作品に仕上がっている。音作りの面ではシンプルで奇を衒わないが、自信に満ちたプレイはアーティスティックで純粋なジャズの即興演奏への喜びに溢れている。

収録曲は彼女のオリジナルのほか、ジム・ビアード(Jim Beard)作曲の(4)「The Gentleman & Hizcaine」やダニー・マッキャスリン(Donny McCaslin)の(6)「Fast Brazil」、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)が歌った(7)「Get It While You Can」、そしてサム・リヴァース(Sam Rivers)の(8)「Cyclic Episode」など半数ほどのカヴァーも演奏。

今作のメンバーは1990年生まれのスザンナ・リスベリ以下、1994年生まれのベース奏者アルヴィド・ジュランダーArvid Jullander)、1993年生まれで3歳からドラムを始め7歳からステージに立つドラマー、カール=ヘンリク・オウスバック(Karl-Henrik Ousbäck)という若手の実力者が揃う。特にベースのアルヴィド・ジュランダーはなかなか主張する演奏をしていて面白い。

(1)「Lunde」のトリオによるライヴ演奏動画。
この曲はほかにソロ演奏などもYouTubeにいくつかアップされている。

スザンナ・リスベリはジミ・ヘンドリックスに憧れて10歳の頃にギターを手にした。ブルース/ロックのバンドを組み早くから成功し、15歳の才能溢れるギタリストの少女はすぐにその名をスウェーデン全土に轟かせた。スウェーデンの数多の交響楽団やビッグバンドとの共演を重ね、2008年に奨学金を得てバークリー音楽大学に留学、2011年には権威ある「ジミ・ヘンドリックス賞」を受賞。2015年には母国スウェーデンでも新人賞を獲得するなど、若くしてスウェーデンを代表するジャズギタリストとなっている。

リーダー作としては2013年に『Susanna Risberg Trio』にデビューし、以降も『Utfall』(2015年)、『Vilddjur』(2018年)と作品をリリース。

ソロで演奏する(1)「Lunde」

Susanna Risberg – guitar
Arvid Jullander – bass
Karl-Henrik Ousbäck – drums

Susanna Risberg - Boiler Room
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