- 2022-10-03
- 2022-10-02
2022年を象徴する一枚。ウクライナ情勢への憂いと怒りに満ちたゴーゴル・ボルデロ新譜
ウクライナ難民として米国に渡ったユージーン・フッツ(Eugene Hütz)が率いる“ジプシーパンク・バンド”のゴーゴル・ボルデロ(Gogol Bordello)が5年ぶりの新譜『SOLIDARITINE』をリリース。バンド史上もっとも強い“怒り”をもって、この絶望的な世界に抗い続ける姿勢を見せている。状況がそうさせているのか、今作はかなり切迫感があり……強烈だ。
ウクライナ難民として米国に渡ったユージーン・フッツ(Eugene Hütz)が率いる“ジプシーパンク・バンド”のゴーゴル・ボルデロ(Gogol Bordello)が5年ぶりの新譜『SOLIDARITINE』をリリース。バンド史上もっとも強い“怒り”をもって、この絶望的な世界に抗い続ける姿勢を見せている。状況がそうさせているのか、今作はかなり切迫感があり……強烈だ。
西アフリカ、セネガルに囲まれたアフリカ大陸最小の国ガンビア共和国にルーツを持つコラ奏者/SSWのソナ・ジョバルテ(Sona Jobarteh)が、自身名義のファーストアルバムである前作『Fasiya』(2011年)以来となる待望の新譜 『Badinyaa Kumoo』をリリースした。初の女性コラ奏者であり、伝統的なグリオの文化を伝え続けるソナ・ジョバルテにしか為し得ない、彼女の“レジェンド”の評価を確立する傑作と言っても過言ではない。
イスラエル・ジャズ・シーンの中心的存在になりつつあるベーシスト/作曲家のヨセフ・ガトマン(Yosef Gutman)が、ピアノトリオ編成による新作『Upside Down Mountain』をリリースした。現行イスラエル・ジャズ・シーンの最高峰とも言えるメンバーを迎え、ヨセフは本来のベースの役割である低音から、和音弾きやシーケンス、高音弦での主旋律やソロまで幅広い音域で躍動しまさしく音楽の骨格を支える。
ズールー族にルーツを持つ南アフリカのサックス奏者、リンダ・シカカネ(Linda Sikhakhane)の新作『Isambulo』は、独自の進化と発展を遂げる南アフリカの最新のジャズの象徴するような傑作だ。アルバムタイトルの意味は「啓示」、プロデューサーはブルーノート・レコードで活躍するンドゥドゥーゾ・マカティニ(Nduduzo Makhathini)が務めている。
ベーシストのキングスリー・オコリエ(Kingsley Okorie)とドラマーのベンジャミン・ジェイムズ(Benjamin James)によるナイジェリアの兄弟デュオ、ケイヴメン(The Cavemen.)の2021年作 『Love and Highlife』は、近年再び若い世代に支持され注目されるようになったハイライフの復興の中心的な役割を担う優れた作品だ。
ドラムスを中心とするマルチ奏者アミール・ブレスラー(Amir Bresler)、トランペッターのセフィ・ジスリング(Sefi Zisling)、鍵盤奏者ノモク(Nomok)から成るイスラエルの気鋭のバンド、リキッド・サルーン(Liquid Saloon)が待望の2ndアルバム『Took a Second』をリリースした。
インドネシアの4組の人気ミュージシャン──2009年結成の4人組ハイファイ(HIVI!)、ギタリストのジェラルド・シタモラン(Gerald Situmorang)、女性SSWイフィー・アリッサ(Ify Alyssa)、そしてジャズピアニストのスリ・ハヌラガ(Sri Hanuraga)による豪華コラボレーションが実現したアルバム『Bermain Rintik Di Musim Hujan』。
アルゼンチン生まれの歌手/作曲家ロクシャナ・アメー(Roxana Amed)の新譜『UNÁNIME』は、ラテンアメリカやブラジルの作曲家たちのカヴァーを中心に、スペイン、キューバ、ペルー、コロンビア、ブラジルなどから傑出した音楽家たちを招いて制作された多様な作品となった。
ブラジル・パラー州の重要な詩人/作曲家のジョルジ・アンドラージ(Jorge Andrade)の珠玉の楽曲群を、歌手のアンドレア・ピニェイロ(Andréa Pinheiro)とピアニストのジャシント・カワジ(Jacinto Kahwage)がカヴァーしたアルバム『Voz Passional: Jorge Andrade』が素晴らしい。
マレーシア・サラワク州クチン出身のSSW/サペ奏者のアレナ・ムラン(Alena Murang)が台湾のレーベルから新譜『Sky Songs』をリリースした。彼女のルーツであるボルネオ島の先住民族ケラビット族らの伝統にインスパイアされた物語をサペの温かな音色に乗せて歌う、聴きやすく素晴らしい作品に仕上がっている。
イスラエル在住のブラジル人シンガー/作曲家のフェウ・マリーニョ(Feu Marinho)が、プロデューサー/ベーシストとして新進気鋭のダニエル・ハーレヴ(Daniel Harlev)を迎えてデビュー作『Velocidade Futura』をリリースした。3年の制作期間でじっくりと練られたサウンドは70年代のブラジルのサイケロックの香りを現代に蘇らせたような印象。
米国のトロンボーン奏者/作曲家ライアン・ケバリー(Ryan Keberle)がかねてより熱い関心を寄せていたブラジル・ミナスの音楽に自身のカルテット、Ryan Keberle’s Collectiv do Brasil名義で取り組んだアルバム『Sonhos da Esquina』。ミナス音楽を意識したライアン自身のオリジナルのほか、“街角クラブ”を代表する巨匠ミルトン・ナシメントやトニーニョ・オルタの名曲を演奏しており、ミナス音楽やジャズ・トロンボーンのファンには聴き逃せない作品となっている。
ドラマー、マカヤ・マクレイヴン(Makaya McCraven)の新作『In These Times』が、インターナショナル・アンセム、ノンサッチ、XLレコーディングスの3レーベルによる合同プロジェクトとして9月23日にリリースされた。そのサウンドは“音を楽しむ”音楽の原点のようでもあり、ジャズやポピュラー音楽の未来を指し示すようでもある。
ブラジル・サンパウロのピアニスト、アレシャンドリ・ヴィアナ(Alexandre Vianna)のピアノトリオ新作『Música para dar sorte』。2016年のトリオのデビュー作『Ânimo』以来の2枚目の作品で、ベースにジョアン・ベンジャミン(João Benjamin)、ドラムスにハファエル・ロウレンソ(Rafael Lourenço)という編成も変わらず。