- 2022-01-02
- 2022-01-02
現代の地中海音楽を体現するキプロスのバンドMonsieur Doumani、社会の闇を描く強烈な新譜
トルコの南に浮かぶ島国キプロス共和国のバンド、ムッシュ・ドゥマニ(Monsieur Doumani)の2021年作『Pissourin』。一聴すると地中海地域や中東地域の伝統音楽をロックやヒップホップ、エレクトロ・ミュージックといった現代の広域的な共通価値観とブレンドすることに成功した面白い作品だ。
トルコの南に浮かぶ島国キプロス共和国のバンド、ムッシュ・ドゥマニ(Monsieur Doumani)の2021年作『Pissourin』。一聴すると地中海地域や中東地域の伝統音楽をロックやヒップホップ、エレクトロ・ミュージックといった現代の広域的な共通価値観とブレンドすることに成功した面白い作品だ。
フレンチボッサの人気デュオTom&Joyceの片割れ、トーマス・ネイム(Thomas Naïm)のソロ新作は、なんとエレキギターの神様ジミ・ヘンドリックス曲集。ガットギターではなくエレクトリックギターでジミヘンをカヴァーする彼の音楽は、前述のデュオのおしゃれなサウンドをイメージして聴くと随分意外に感じられる。
VOX社の名機Phantomギターを構えたギター/ヴォーカルのエデン、スポンジミュートをかましたベースにコーラスも担当するガヤ・ワイスマン、そして黒一点ドラムスのイタイ・ハムディから成るイスラエルはエルサレム出身のスリーピースバンド、ラスコ(Rasco)。2021年の始めにリリースされたデビュー作『Rasco』は純然たる60年代サーフロックサウンドで、往年のロックへの溢れるほどの愛がとても新鮮な作品だ。
イスラエルのジャズギタリスト/作曲家ニツァン・バール(Nitzan Bar)の新作はなんと自身でギターを弾き語る、ロックに傾倒したアルバムとなった。しかも2枚同時リリース。『Nitz A』『Nitz B』とストレートな名前を冠されたアルバムに若き天才ギタリストの原点が垣間見える。
ドイツのバンド、Die Blauen Pilzeはロックのスリーピースバンドとジャズのギタートリオの丁度中間に位置するようなインストバンドだ。ロックのリズムや曲調を軸にしながら、アドリブも多くジャズの要素も取り入れる。彼らの2ndとなる2021年の新譜は『Shinkansen』(新幹線)。
キーボードを前にし、ジミ・ヘンドリックスの名曲「Voodoo Child」の演奏を始めるロッキー・ドリー(Lachy Doley)。いささか乱暴に鍵盤を叩き始めたと思ったら…なんと楽器ついているレバーを操作し、エレキギターのような音を出し始めた!音は完全にエレキギターのそれで、激しい演奏をする姿はまるで鍵盤楽器なのにジミ・ヘンドリックスの魂が乗り移っているかのよう…とても衝撃的な光景です。
バーグマン(Tal Bergman)とギタリストのオズ・ノイ(Oz Noy )。イスラエルを代表するジャズロック系ミュージシャンである二人の双頭名義の新譜『Soul Stealer』。二人が難しいことを考えず、気の置けない友と一緒に心の赴くままに創り出したリズムやフレーズに溢れている。そんな印象を強く受ける最高のアルバムだ。
スナーキー・パピーで活躍するギタリスト、マーク・レッティエリ(Mark Lettieri)による『Deep: The Baritone Sessions, Vol. 2』がリリースされた。これは2019年の『Deep: The Baritone Sessions』の続編に位置付けられた作品で、前作同様にバリトン・ギターをフィーチュアした低音が気持ちいいロック寄りのジャズファンクだ。
ボストンのバンド、クロスウォーク・アナーキー(Crosswalk Anarchy)が面白い。鍵盤奏者/作曲家のエヴァン・ワーラマー(Evan Waaramaa)を中心とする5人組で、2019年にアルバム『Composite』でデビュー。ジャズ、ロック、ヒップホップ、R&Bなどに影響されたサウンドで、アルバム収録曲のジャンルも多岐にわたる。
ブラジルのギタリスト、ダニエル・サンチアゴ(Daniel Santiago)が個性的な感性で綴る新譜『Song For Tomorrow』。ブラジルで今もっとも注目される若手ペドロ・マルチンスやフレデリコ・エリオドロらの全面参加に加え、ゲストにエリック・クラプトン、カート・ローゼンウィンケル、ジョシュア・レッドマン、アーロン・パークスが参加。この面子でないと出せないであろう音が最高に楽しい。
米国ロサンゼルスの現代ジャズシーンで活躍するピアニスト/作曲家、キャメロン・グレイヴス(Cameron Graves)の2021年新譜『Seven』は彼らしさが全開する圧倒的轟音メタルジャズ。
イギリス・ミッドランズ出身のギタリスト/作曲家ジョン・コナーン(John Connearn)は5歳からギターを始め、これまでは主にスタジオ・ミュージシャンや様々なバンドのサポートメンバーとして活動を行ってきた。2020年から自身のプロジェクトを開始、デビューシングル『First Things First』は耳の早いリスナーの間で話題になった。
ピンハス&サンズ(Pinhas & Sons)にもゲスト参加しその圧倒的な存在感を放っていたイスラエルのSSW/ギタリスト、ガイ・マジグ(Guy Mazig)が新作をリリースした。アルバムタイトルは「The newer black」の意味で、彼らしいセンス抜群でエネルギッシュなロックに、ファンクやソウル、ヒップホップといったブラックミュージックを組み合わせた良曲が満載の贅沢なアルバムになっている。
英ロンドンの注目のバンド、ブラック・カントリー・ニュー・ロードの待望のデビューアルバム『For the First Time』がリリースされた。UKロックの伝統芸ともいえるギターサウンドがあるかと思えば、次には異国情緒溢れるヴァイオリンにジャズサックスが絡むそのサウンドは、現代のバンドらしい多様なバックグラウンドを感じさせる。