イスラエルの若き3ピースバンドRascoは60年代サーフロックを愛してやまない

Rasco - Rasco

60年代ロックサウンドへの愛が溢れるスリーピースバンド、Rasco

VOX社の名機Phantomギターを構えたギター/ヴォーカルのエデン・アティヤ(Eden Atiya)、スポンジミュートをかましたベースに、コーラスも担当するガヤ・ワイスマンGaya Wajsman)、そして黒一点ドラムスのイタイ・ハムディItay Hamudi)から成るイスラエルはエルサレム出身のスリーピースバンド、ラスコ(Rasco)。2021年の始めにリリースされたデビュー作『Rasco』は純然たる60年代サーフロックサウンドで、往年のロックへの溢れるほどの愛がとても新鮮な作品だ。

アルバムはインストで演奏されるピンク・フロイド(Pink Floyd)のカヴァー(1)「Interstellar Overdrive」で幕を開けるが、2曲目以降はすべてオリジナル。スモーキーなギターとヘブライ語の歌が絶妙にマッチし独特の雰囲気を醸し出す。

古風なMVも魅力な(3)「Flowers」。ドラムは3点セットのみ、ペンタ一発なギターソロも清い。

バンド名はイスラエルの伝説的SSW/ギタリストのチャーリー・メギラ(Charlie Megira, 1972 – 2016)のヒット曲「At the Rasco」に因んでおり、おそらくはイスラエルでカルト的な人気を誇るチャーリー・メギラ経由で米国の60年代ロックに目覚めたのではないだろうかと思われる。ギターヴォーカルのエデン・アティヤがSpotifyで公開しているプレイリストからはその辺りの影響源を窺い知ることができる。

(5)「Cult」
ライヴの様子。ドラムスのイタイはアコースティックギターを、ベースのガヤはキーボードに持ち替えている。

Rasco :
Eden Atiya – guitar, vocal
Gaya Wajsman – bass, keyboard, vocal
Itay Hamudi – drums, percussion

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