イスラエルSSWロイ・ラベス新譜『日没と日の出の物語』
イスラエルのシンガーソングライター、ロイ・ラベス（Roie Labes）の最新作『סיפורים על שקיעות וזריחות』がリリースされた。タイトルの意味は“日没と日の出の物語”。伸びやかなヴォーカルと、耳馴染みが良くエモーショナルなコード進行とメロディを持ったキャッチーな楽曲群が楽しめるアルバムだ。
古典的なロックンロールをベースに現代的に再構築した(1)「שיר לגשם הראשון」（最初の雨のための歌）は本作を代表する1曲で、歌メロのシンコペーションの心地よさは思わず口ずさみたくなるほど。(2)「חיים משעממים」（退屈な生活）も日本人好みの聴きやすいコード進行。
MVも作られた(7)「והלב גם」（そして心も）も分かりやすい四つ打ちのリズムでロイ・ラベスのポップセンスを感じさせる。
(9)「פוגה קטנה」はイスラエルを代表するSSW、ナヒューム・ハイマン（Nachum Himan, 1934 – 2016）によるバロック調の曲のカヴァーで、ここではロイ・ラベスが新たに歌詞をつけている。アレンジは“イスラエルのスナーキー・パピー”とも称されるスーパーバンド、Pinhas & Sonsのリーダーであり鍵盤奏者のオフェル・ピンハス（Ofer Pinhas）が務めており、彼らしい巧妙で知的な遊び心のあるアレンジは今作の中でも群を抜いている。
Roie Labes プロフィール
ロイ・ラベス（ヘブライ語表記：רועי לבס）は1992年に生まれ、モシャブ（協同組合植民村）で育った。ヴァン・モリソン（Van Morrison）のバンドの鍵盤奏者として知られるジェフ・ラベス（Jeff Labes）とは親戚関係にあたる。
2016年に最初のEP『למסגר רגע בחיים』、2019年に最初のフルレンス・アルバム『בריכה בלי מים』をリリースしている。