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Jazz

  • 2020-08-19
  • 2020-08-17

知的な快楽の遊び。デンマークの女流ベーシスト、アンネ・メテ・イヴェルセン新譜

デンマーク出身のベーシスト、アンネ・メテ・イヴェルセン(Anne Mette Iversen)の新譜『Racing a Butterfly』は、「これまでで最も幸せでリラックスしたアルバム」と彼女が語るとおり、緻密な作曲・アレンジでありながらも長年活動をともにしてきた仲間たちとの信頼感に裏打ちされた誠実で心地よいグルーヴに溢れた良作だ。

  • 2020-08-18
  • 2020-08-16

純粋すぎるピアノとヴァイオリンの共演、ヨアヒム・キューン×マテウシュ・スモチンスキ

ドイツのベテラン・ピアニスト、ヨアヒム・キューン(Joachim Kühn)とポーランドの若手ヴァイオリニスト、マテウシュ・スモチンスキ(Mateusz Smoczynski)のデュオ作品『Speaking Sound』。40歳もの歳の差の二人の演奏は優しい語り合いのようで、即興成分は少なめでジャズよりもクラシックの響きに近い。

  • 2020-08-14
  • 2020-08-17

雑多な音楽が自然に融け合う。サウスロンドンの新鋭オスカー・ジェローム、デビュー!

ロンドンの新鋭SSW/ギタリスト、オスカー・ジェローム(Oscar Jarome)のデビューアルバム『Breathe Deep』は、R&Bやヒップホップ、ジャズがほどよい塩梅にブレンドされた、どこか懐かしさもある良作だった。Kokorokoのメンバーでもある彼の挨拶代わりともなる素晴らしいアルバム。

  • 2020-08-14
  • 2023-06-03

バルカン音楽のカリスマ、ゴラン・ブレゴヴィッチが放つロマ賛歌

サラエヴォ出身の音楽家ゴラン・ブレゴヴィッチ(Goran Bregovic)の『Champagne for Gypsies』。ジプシー音楽を愛するゴラン・ブレゴヴィッチらしいブラス中心のサウンドが轟く。聴けば全身の血が沸き立ち、気持ちの昂りを抑えずにはいられなくなる音楽。粗野と洗練の好対照が同居する奇妙な時間が全体を支配する。

  • 2020-08-10
  • 2020-08-10

公民権運動からBLM運動へと続く米国の“伝統的”社会への想いを発露させた、新世代サックス奏者デビュー作

米国の新鋭アルトサックス奏者、イマニュエル・ウィルキンス(Immanuel Wilkins)が自身初リーダー作となる『Omega』をブルーノートからリリースした。この作品は20世紀の公民権運動から、今まさに社会問題になっているBlack Lives Matter運動へと連なる米国社会の複雑な問題に対するこの若きサックス奏者の感情の吐露だ。

  • 2020-08-09
  • 2020-08-09

心を癒すピアノとギター。イタリアのデュオ、至福のジャズ

坂本龍一の(1)「美貌の青空」で始まるアルバムは究極的なまでの叙情性に満ち溢れ、寄り添いながら語り合うようなピアノとギターの音色に心が洗われる。抑制と開放の絶妙なバランス。日常のリラックスしたシーンでじっくり聴くには最高の音楽だ。

  • 2020-08-03
  • 2020-08-04

さりげなく散りばめられた“ワールド・ミュージック”が魅力的なジャズギタートリオ新譜『Believers』

世界中の音楽をジャズの言語の中に落とし込み、これまでボーダーレスに活躍してきた3人のアメリカ人ミュージシャン──ギターのブラッド・シェピク、ベースのサム・ミナイエ、ドラムスのジョン・ハドフィールドがトリオを結成し創り上げたアルバムがこの『Believers』。普通のジャズ・ギタートリオとは一線を画す、現代的なサウンドが洪水のように押し寄せる。

  • 2020-08-02
  • 2020-08-02

ヴァイオリン多重録音×多数実力派歌手の共演、激良作!

2000年以降、30枚以上のアルバムの録音に参加してきたスペイン・バルセロナのヴァイオリスト、コロマ・ベルトラン(Coloma Bertran)がその長いキャリアの中で初となるソロアルバムをリリースした。本作では彼女が一人でヴァイオリン、ヴィオラ、オクターヴ・ヴァイオリンを様々な奏法を駆使し多重録音し、曲によってはゲストシンガーを迎えるという構成をとっている。

  • 2020-08-01
  • 2020-08-01

超絶ドラムと重低音の効いたエレクトロサウンドが気持ちいい、鬼才ダン・マヨ新譜

独特の世界観でコアなファンを持つイスラエルのプログレバンドTATRANの鬼才ドラマー、ダン・マヨ(Dan Mayo)のソロ新作EP『Not a Talker』がリリースされた。前作『Big Brown Eyes』も狂気を感じさせるドラミングが炸裂するエレクトロジャズだったが、今回もその辺の凡庸な音楽にはない殺気のようなものを感じさせる、えげつない音楽が押し寄せてくる。

  • 2020-07-29
  • 2020-07-29

ラージアンサンブルが奏でるジャズ×西洋古典音楽×中東音楽

世界中のリズムや音階を取り入れた独自のジャズを創り続けている米国シカゴ出身のピアニスト/作曲家、ライアン・コーハン(Ryan Cohan)の7年ぶり新譜『Originations』。ピアノ、ベース、ドラムス、中東の打楽器、管楽器、さらには弦楽四重奏という11人編成で緻密に演奏される魅惑の音楽だ。

  • 2020-07-28
  • 2021-07-19

北欧のチューバ奏者ダニエル・ハースケダール、完璧な孤独のアルバム『Call for Winter』

ノルウェーのジャズ・チューバ奏者ダニエル・ハースケダール(Daniel Herskedal)の7枚目のアルバムとなる新譜『Call for Winter』は、チューバやバストランペットの多重録音で創られた完全なるソロ作。アルバムタイトルに相応しい孤高の音楽で、北欧の厳しくも美しい自然や、人間本来の孤独の姿を語る。