イスタンブールから現れたJAZZ×中東フュージョンの次世代ギタリスト、トルガ・シャンル

Tolga Şanlı - Vouves

トルコの新鋭ギタリスト、Tolga Şanlı

トルコのギタリスト/作曲家、トルガ・シャンル(Tolga Şanlı)の新譜『Vouves』は中東的エッセンスも多めのジャズロック/プログレ系のおすすめ作品だ。

このアルバムにはイスタンブールという地で生まれ育った彼がこれまでに受けた音楽的影響の全てが蓄積され表現されている。クインテット編成のバンドでまず目を引くのは、バグラマ奏者Recep Özçakırの存在だ。この「バグラマ」と呼ばれるリュート属の撥弦楽器であるサズの一種の音が、このアルバムの魅力のひとつになっていることは間違いない。根底にあるのは西洋音楽だが、トルガ・シャンルによる巧みなコンポージングとバグラマの存在が唯一無二の個性をもたらす。

タイトルの通り7拍子の熱いフュージョン(1)「7」はそのバグラマのソロで幕を開ける。トルガ・シャンルのギターの音作りもバンドによく溶け込み、後半の熱を帯びた畝るようなギターソロは完全に場を支配する凄みを見せている。

トルコの民族楽器バグラマ(サズの一種)のイントロで始まる変拍子の中東フュージョン、(1)「7」

今後の活躍も楽しみな若いギタリスト

トルガ・シャンルは1995年、トルコ・イスタンブールに生まれた。ベーシストとして活躍する父親ザフェル・シャンル(Zafer Şanlı)の指導のもと、幼い頃から音楽やギターに親しんだという。十代で作曲を始め、高校在学時に音楽コンクールで「ベストオーケストラ」「ベストインストゥルメンタリスト」で受賞。2012年には奨学金を得てバークリー音楽大学の短期講習に参加し、同大学で教授を務める日本人トランペット奏者タイガー大越(Tigar Okoshi)のオールスターバンドにも多くのギタリストの中から選出されるなどその才能が高く評価された。

トルコ帰郷後はスタジオミュージシャンとして仕事をするとともに、現地のファンクバンド、What da Funk にギタリストとして参加し、2017年にはアルバム『WDF1』をリリース。翌2018年にソロデビュー作『Manzinga』をリリースしてた。

影響を受けたアーティストやバンドとしては、スナーキー・パピー(Snarky Puppy)やティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)、ジェフ・ベック(Jeff Beck)、スティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)、ディープ・パープル(Deep Purple)の名を挙げている。

トルコでも猛威をふるう新型コロナ禍のため、トルコで予定されていた本作のリリースイベントは中止になってしまった。それでも彼は自宅での待機期間中、ミュージシャンである父親とのギターとベースのデュオセッションを楽しんだりしているようだ。

Tolga Şanlı – guitar
Cengiz Tural – drums
Deniz Beydili – bass
Nevzat Yılmaz – keyboards
Recep Özçakır – baglama

Tolga Şanlı - Vouves
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