• 2024-05-28
  • 2024-05-27

アミルトン・ヂ・オランダとC4 Trio、ラテングラミー常連の2者がコラボ!南米音楽を巡る豊かな旅

ブラジルのバンドリン名手アミルトン・ヂ・オランダ(Hamilton de Holanda)と、ベネズエラのクアトロを中心とした弦楽器グループC4トリオ(C4 Trío)。ともに2022年のラテングラミー賞でノミネートされ、授賞式で席を共にした両者が初のコラボ作品『Tembla』をリリースした。一括りにラテン、ブラジル、そしてジャズが混ざり合ったアルバムというのは簡単だが、ここには驚くほどに豊かなカリブ海や南米、そしてスペインの音楽文化が凝縮されている。

  • 2024-05-27
  • 2024-05-27

UKジャズの最先端を行く完璧なサウンド・デザイン。ロンドン発・BOREAL SUN、デビューEP

スウェーデン出身のヴォーカリスト、リサロッテ・オストブロム(Liselotte Östblom)と、マルチ奏者/プロデューサーのマット・ロバーツ(Matt Roberts)によるロンドンのユニット、BOREAL SUNのデビューEP『DAWN』が素晴らしい。生バンドはフュージョンからアシッドジャズ、ファンク、ネオソウルなどを自然と取り入れたグルーヴを生み出し、リサロッテの圧倒的な歌唱力が全体を引き締める。またまたロンドンから面白いグループが登場した。

  • 2024-05-26
  • 2024-05-26

ジスブランコのクラウヂア、ブラジルの伝説的音楽家シヴーカを再解釈。マルコス・スザーノも参加!

ビアンカ・ジスモンチとのデュオ“Gisbranco”の活動などで知られるピアニスト/歌手のクラウヂア・カステロ・ブランコ(Claudia Castelo Branco)の新作『Viva Sivuca』は、その名のとおりブラジルを代表する音楽家シヴーカ(Sivuca)へのトリビュート・アルバムだ。楽曲は単なるシヴーカのありきたりなカヴァーではなく、クラウヂアによって原曲の良さを活かしつつ新たな解釈が加えられており、とても聴きごたえのある作品となっている。

  • 2024-05-25
  • 2024-05-24

現代の鍵盤神ヘスス・モリーナ、ラテンもブラジルもプログレも飲み込んだ最強新譜『Selah』

卓越した演奏技術とジャズ、ラテン、プログレなど幅広い音楽性で注目されるコロンビア出身の鍵盤奏者、ヘスス・モリーナ(Jesus Molina)の最新作『Selah』がリリースされた。アルバムのタイトルは「賞賛」や「高揚」を意味する祝福の言葉で、音楽に対する彼のスピリチュアルなアプローチを表している。

  • 2024-05-24
  • 2024-05-23

中東の葦笛ネイとエレクトロが融合したアンビエントジャズ。イツァーク・ヴェントゥーラ『Ein-Sof』

イスラエルのネイ奏者、イツァーク・ヴェントゥーラ(Itzhak Ventura)の新作『Ein-Sof』。プロデューサー/シンセサイザー奏者リジョイサー(Rejoicer)を迎え、エレクトロ・アンビエントな音像に溶け込むようなスピリチュアルなネイの演奏を聴くことができる。

  • 2024-05-22
  • 2024-05-22

バンドは“創造的シエスタ”へ──。フランシスコ・エル・オンブレのラスト・アルバム

ブラジルのミクスチャー・バンド、フランシスコ・エル・オンブレ(Francisco, el Hombre)の新作『Hasta El Final』がリリースされた。バンドは今年3月7日に彼らが”クリエイティヴなシエスタ(siesta criativa)”と呼ぶ無期限の活動休止に入ることを発表しており、これが最後のアルバムとなる。ゲストとしてレニーニ(Lenine)、パト・フ(Pato Fu)、マルチナリア(Mart'nalia)といったブラジルを代表するアーティストも参加しており、まさしく集大成的な音楽を作り上げている。

  • 2024-05-20
  • 2024-05-20

カンタン・デュジャルダン&オリヴィエ・ケル・オゥリオ、“セレンディピティ”を探す航海

ベルギー出身のギター奏者カンタン・デュジャルダン(Quentin Dujardin)と、レユニオン出身のハーモニカ奏者オリヴィエ・ケル・オゥリオ(Olivier Ker Ourio)によるデュオ作品『Serendipity』は、思いがけない偶然の幸運(=セレンディピティ)を求めて、2人きりで港から港へ、音楽の大海を旅するようなアルバムだ。

  • 2024-05-19
  • 2024-05-12

本能を踊らせるクラリネットとアコーディオンのデュオ、再び。至福の地中海ジャズ

クラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)と、アコーディオン奏者シモーネ・ザンキーニ(Simone Zanchini)のデュオ第二弾となるアルバム『Un Ballo Con La Luna』がリリースされた。二人の初デュオ作である前作『Il Gatto E La Volpe』(2022年)はオリジナルが中心だったが、今作は逆にカヴァー曲を軸に、燦々とした地中海ジャズを聴かせてくれる絶品だ。

  • 2024-05-18
  • 2024-05-18

古都カサブランカの街の匂いが薫る。気鋭ピアノトリオ、EYM Trioによる直情的ワールド・ジャズ

西はヨーロッパや北アフリカ、東はインドまで、広大な音楽文化の地図をジャズの上で描き出すフランスのピアノトリオ、EYM Trioが新作『Casablanca』をリリースした。モロッコ最大の都市をタイトルに据えた今作はアラビア音楽の伝統を大胆に取り入れ、久々にゲストを迎えず、トリオの3人のみでオリジナリティに富む壮大な音世界を繰り広げる素晴らしい作品に仕上がっている。

  • 2024-05-16
  • 2024-09-23

気鋭ドラマー、ステファン・ギャラン。多国籍セクステットで世界のリズムを“狩る”!

Aka Moonを始めとした様々な革新的ジャズ・プロジェクトで知られるベルギーのドラマー/作曲家、ステファン・ギャラン(Stephane Galland)が多国籍セクステットによる新バンドを従えての新譜『Stéphane Galland & The Rhythm Hunters』をリリースした。アフリカのポリフォニックでトランス的なリズム、数学的複雑さを備えたインドのリズム、不規則に脈動するバルカンのリズムといったように、彼がこれまでに様々なアーティストと共演したりする中で経験してきた世界各地のリズムを持ち帰り、自身の語彙になるまで咀嚼し理解を深め、インスピレーションを得て創作に落とし込んできた結果が凝縮された新鮮な音楽が展開される。

  • 2024-05-15
  • 2024-05-15

孤高の天才サンドロ・ハイキ。あらゆる楽器を演奏し、たった独りで創り上げた別次元のアルバム

ブラジル・サンパウロ出身のマルチ器楽奏者/作編曲家のサンドロ・ハイキ(Sandro Haick)の2024年新譜『Gratitude』。ブラジルの伝統的なリズムとジャズ、プログレッシヴ・ロックが絡み合う素晴らしい作品で、アジアや中東の楽器をも取り入れた多彩な音楽表現に一種の凄みすら感じさせる作品だ。そして何よりも驚くべきは、これらのオリジナリティに溢れた素晴らしい音楽を、サンドロ・ハイキがたった一人で創り上げているということだ。

  • 2024-05-14
  • 2024-05-22

内省的な“祈り”をテーマに、自己の深層を探求するミナスの個性派SSWルイーザ・ブリーナ新作

ブラジル・ミナスジェライス州の鬼才SSW、ルイーザ・ブリーナ(Luiza Brina)は、10年以上の歳月にわたり「Oração」(祈り)と呼ぶ一連の譚詩曲を創作してきた。その一部は彼女の過去作『Tão Tá』や『Tenho Saudade Mas Já Passou』にも収録されてきたが、2024年リリースの今作『Prece』はついに全編が「Oração」となり、ルイーザ・ブリーナの全てを曝け出すようなアーティスティックの極致のような作品となった。

  • 2024-05-13
  • 2024-05-13

UKを代表するアフロジャズバンド、Nubiyan Twist 世界を踊らせる極上グルーヴの4thアルバム

英国の多国籍ジャズ・コレクティヴ、ヌビヤン・ツイスト(Nubiyan Twist)が4枚目となるアルバム『Find Your Flame』をリリースした。今作でまず特筆すべきはバンドに新たに加入したヴォーカリスト、アジザ・ジェイ(Aziza Jaye)だ。アルバム冒頭(1)「Battle Isn't Over」から、ゆったりとしたBPMだが素晴らしく躍動するバンド演奏に乗せて彼女のグルーヴ感に優れたヴォーカルに圧倒され、すぐに名盤と確信できる内容だ。