• 2023-04-15
  • 2023-04-15

LRK Trio、モスクワの宇宙パビリオンで行われた初のオーケストラとの共演ライヴ盤

ロシアを代表するピアノトリオ、LRK Trioが初めてオーケストラと共演したライヴ・アルバム『Concert at Vdnh Cosmos』がリリースされた。これは2022年12月18日にモスクワの歴史ある全ロシア博覧センターの宇宙パビリオンで演奏されたもので、LRK Trioの持ち前の叙情性と、現代音楽のオーケストラであるオープンサウンド・オーケストラ(Opensound Orchestra)の滋味深いサウンドが見事に融合した、傑作と呼べる作品に仕上がっている。

  • 2023-04-14
  • 2024-11-03

急速に混ざり合う世界を象徴する新時代のジャズ。チュニジア出身ワジディ・リアヒのトリオ作

チュニジア出身でベルギーを拠点に活動するピアニスト、ワジディ・リアヒ(Wajdi Riahi)の初リーダー作『Mhamdeya』。フランス出身のベース奏者バシーレ・ラオラ(Basile Rahola)とベルギーのドラムス奏者ピエール・ユルティ(Pierre Hurty)とのトリオを軸に、チュニジアの民族的な音楽の要素を大胆に取り入れた豊かな色彩感のあるジャズを展開する傑作だ。

  • 2023-04-12
  • 2025-04-19

北アフリカ、中東、欧州の音楽を濃縮した圧巻のジャズ。アレフ・クインテット、デビュー。

2018年に結成以来、ベルギーのジャズシーンに新風を起こすアレフ・クインテット(Aleph Quintet)が待望のデビューアルバム『Shapes of Silence』をリリースした。ウード奏者のアクラム・ベン・ロムダンとピアニストのワジディ・リアヒはともにチュニジア出身。彼らがもたらす北アフリカ/アラブのエッセンスと、ベルギー出身のヴァイオリン奏者マーヴィン・ブルラス、ドラマーのマクシム・アズナール、そしてフランス出身のベース奏者テオ・ジッパーによる欧州の抒情的なジャズの完璧な融合は、彼らの演奏技術の高さとも相まって唯一無二の音楽体験を与えてくれる。

  • 2023-04-11
  • 2023-04-09

バルセロナの才能と創造性を結集する斬新なラグタイム楽団、Barcelona Art Orchestra

クラリネット/テナーサックス奏者のLluc Casares、ドラマーのJoan Vidal、ピアニストのNéstor Giménez、そして同じくピアニストのLluís Vidalというスペインを代表する4人の作曲家が中心となって始めたオーケストラ・プロジェクトであるバルセロナ・アート・オーケストラ(Barcelona Art Orchestra)。彼らが「ラグタイム」をキーワードに、演劇や詩、ダンスなど幅広い芸術をジャズの観点から探求するファースト・アルバムが『Ragtime Stories』だ。

  • 2023-04-10
  • 2023-04-09

HipHop世代のハープ奏者ブランディー・ヤンガー、先駆者への敬意を示す新譜『Brand New Life』

米国のハープ奏者/作曲家、ブランディー・ヤンガー(Brandee Younger)の新譜『Brand New Life』がリリースされた。今作はマカヤ・マクレイヴン(Makaya McCraven)をプロデューサー、ドラマーとして迎え、ジャズ・ハープの先駆者ドロシー・アシュビー(Dorothy Ashby, 1932 - 1986)への敬意を全面的に表した作品になっている。

  • 2023-04-09
  • 2023-04-09

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~⑦セールスに表れなかった傑作。初期デ・ラ・ソウルの集大成とも言える2001年宇宙の旅

マジックナンバー「3」が揃った2023年3月3日の初期作サブスク解禁、そしてその記念すべき日を見ることなく旅立ってしまったトゥルーゴイ・ザ・ダヴ(Trugoy the Dove)の訃報。改めて偉大なるHipHopアーティスト、デ・ラ・ソウルを今ここで振り返らなければならない。

  • 2023-04-09
  • 2023-04-09

カーボベルデの若き“シンデレラ” エリーダ・アルメイダ、波瀾万丈の半生を赤裸々に語る新作

カーボベルデ出身のシンガーソングライター、エリーダ・アルメイダ(Elida Almeida)の4枚目のアルバム 『Di Lonji』。カーボベルデのクレオール語で「遠くから」を意味するこの作品で、彼女は自身の半生を振り返りつつ困難を越えて辿り着いた現在地を確認し、この先どんなところに行きたいかについてを語る。

  • 2023-04-08
  • 2023-04-08

エルチン・シリノフ、ムガームジャズの真髄に迫る2018年の自主制作盤『Waiting』

2019年から2022年10月まで、アヴィシャイ・コーエンのトリオに参加したことで国際的に知られるようになったアゼルバイジャン出身のピアニスト、エルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)。彼が2018年に自主制作しライヴ会場限定などで限定的に売っていた個人名義での初リーダー作『Waiting』が、デジタル・プラットフォームで配信開始された。

  • 2023-04-07
  • 2023-04-06

沈黙とトランス、美を探求する“癒しの儀式”。シリア系フルート奏者ナイサム・ジャラル新譜

コンテンポラリー・ジャズやアラブ音楽、ヒップホップなど幅広い分野で活躍するフランス在住シリア系フルート奏者、ナイサム・ジャラル(Naïssam Jalal)の9枚目のアルバム『Healing Rituals』は、彼女が数週間の入院生活で過ごした時間の中からインスピレーションを得たという架空の癒しの儀式(= Healing Rituals)である。

  • 2023-04-06
  • 2023-04-01

アフリカとヨーロッパを融合する厳かで美しいアンサンブル『Les Égarés』

マリ出身のコラ奏者バラケ・シソコとフランス出身のチェロ奏者ヴァンサン・セガール、そして共にフランス出身のソプラノサックス奏者エミール・パリジャンとアコーディオン奏者ヴァンサン・ペイラーニの4人が初めてカルテットを組み、それぞれの楽曲を持ち寄って制作した『Les Égarés』はジャズ、クラシック、アフリカ音楽、フランス音楽などがバランスよく融合した穏やかで美しく、厳粛な作品に仕上がっている。

  • 2023-04-05
  • 2023-04-05

TikTokから火がついたMPB新世代SSW、ルーカス・マメーヂのデビュー作!

ブラジル・ペルナンブーコ州都レシーフェのシンガーソングライター、ルーカス・マメーヂ(Lucas Mamede)はTikTokで100万人以上のフォロワーを抱える人気者だ。彼は高校3年生の2020年からギターでの弾き語り動画をTikTokにアップし始めるとすぐにファンがつき始め、2021年に3曲のオリジナルをシングルでデジタル・リリース。特に『Conto os Dias』は大ヒットし、北東部の新世代の音楽家の登場を強く印象付けた。

  • 2023-04-04
  • 2024-05-12

南アの新星ノブレ・アシャンティ、瑞々しい感性を反映したデビュー作『Bait For Steps Forward』

南アフリカ・ケープタウン出身のピアニスト/作曲家ノブレ・アシャンティ(Nobuhle Ashanti)が『Bait For Steps Forward』で素晴らしいデビューを飾った。豊かな抒情性を湛えた瑞々しい感性のジャズ、ソウル、R&Bを主軸とする音楽で、丁寧かつ現代的なエッセンスを含んだサウンド・プロダクションも魅力的な作品だ。

  • 2023-04-03
  • 2023-04-02

鬼才SSWアドリアーナ・カルカニョット、孤高の深淵と美学を感じさせる新作『Errante』

ブラジルを代表する鬼才SSW、アドリアーナ・カルカニョット(Adriana Calcanhotto)の新譜『Errante』がリリースされた。人生や社会について鋭い視点で切り込むシリアスな作品が続いていた彼女だが、今作のジャケットには笑顔の写真が。だが、アルバムのタイトルは“徘徊”あるいは“放浪”の意味で、やはり今作も一筋縄ではいかない作品に仕上がっている。