• 2022-01-21
  • 2022-01-21

北欧ジャズの新星Little North、前作から更にスケールアップした新譜『Familiar Places』

前作『Finding Seagulls』(2020年)が絶賛されたデンマークのピアノトリオ、Little Northの新譜 『Familiar Places』がリリースされた。優れた詩情を醸す北欧ジャズのテイストはそのままに、今作では初めてエネルギッシュなギターと温かみのあるトランペットというゲストも得てトリオの新たな地平を開拓した意欲作となっている。

  • 2022-01-19
  • 2022-09-10

感性豊かなグアドループ出身のソロパフォーマー、シンシア・アブラハム

グアドループ出身のSSW/作曲家シンシア・アブラハム(Cynthia Abraham)は自身による声、フルート、打楽器のみで自由に、クリエイティヴに音楽を構築してゆく女性アーティストだ。2021年11月リリースの最新作『Unisson』は一応“ジャズ”にカテゴライズされているが、とてもその分類で片付けてしまうことはできない。

  • 2022-01-18
  • 2022-01-18

JAZZの枠を軽々と飛び越えた若き天才Jacob Collierが見せた音楽の世界旅行。2019年作『Djesse vol.2』

若くして、その才を世界に見せつけた天才。それが「神童」の定義だとするのならば、ここにもう一人の「神童」をご紹介したい。英国出身のマルチアーティスト、ジェイコブ・コリアー(Jacob Collier)。奇しくも大谷・羽生と同じ27才もまた、世界に大きく羽ばたこうとしている。ここではコリアーの作品の中でも最もワールドミュージックの色濃い2019年作『Djesse Vol.2』(ジェシーVol.2)をご紹介したい。

  • 2022-01-18
  • 2024-02-10

日本語の歌も歌う、チュヴァシの伝統と未来を見つめるバンド「DIVA Ethno Future Sound」

ロシア連邦チュヴァシ共和国に根付く伝統音楽を軸に活動するバンド、DIVA Ethno Future Sound のデビュー作『Chuvash Stanzas & Songs』が素晴らしい。バンドはヴォーカル、ピアノ、ハープ、木管の4人編成で、シンプルな楽曲構成にゆったりとオーガニックなサウンドに心が安らぐ。

  • 2022-01-17
  • 2022-01-17

台湾発新星ヴィブラフォン奏者チェンチェン・ルー、類稀な才能を発揮したデビュー作

台湾出身のヴィブラフォン奏者、チェンチェン・ルー(Chien Chien Lu)。2020年に発表された彼女のデビュー作『The Path』は、“中華圏のグラミー賞”こと「金曲奨 」や、台湾インディーズ音楽賞「金音創作獎」にノミネート&受賞を果たした傑作と呼ぶに相応しい作品だ。

  • 2022-01-16
  • 2024-09-28

グローバル化の過渡期を象徴する金字塔的作品:文化的流浪の民 シュブ・サラン『Inglish』

NYを拠点に活動するインド人ギタリスト/作曲家、シュブ・サラン(Shubh Saran)の2枚目のフルアルバム『Inglish』(2021年)は、急速にグローバル化する社会の潮流とその中で起こる摩擦や対立、受容や融合といった複雑な糸玉同士のもつれを可視化したような驚異的な作品だ。

  • 2022-01-14
  • 2022-01-14

『&chill』シリーズの一部がヴァイナルでリリース。ゲームがいざなう極上のチルアウト。

開会式での故すぎやまこういち氏のドラゴンクエスト序曲「ロトのテーマ」が世界中で絶賛された2021年東京五輪。我々が思っている以上に、日本のゲームが"クールジャパン"として世界に浸透していることの証左になった昨年の一大トピックであるが、それより前に日本のゲームに熱視線を送っていたレーベルが米国にあった。

  • 2022-01-14
  • 2022-01-14

アンドレ・マルケス、斬新な解釈で魅せるショーロ作品集

アンドレ・マルケス(André Marques)は、今ブラジルでもっとも勢いのあるピアニストだろう。2021年5月にフォホーをテーマにしたソロ作品『Forró de Piano』をリリースしたばかりだが、今度はショーロにフォーカスしたピアノトリオのアルバム『Choro Universal』(2017年)がサブスク解禁され、2021年12月にリリースされた。

  • 2022-01-11
  • 2022-01-11

聴くものを主役にさせる没入感。心の中の小宇宙を描き出すような究極のエレクトロニカアルバム。

agraph名義の作品は「プライベートな音楽」「作品ごとに自分自身をさらけ出していっている」というように、作品を追うごとにその音楽はより深く、よりパーソナルに深化し続けている。それが現段階での最新作、2016年発表の『the shader』である。前2作にあったクラブサウンドの要素は影を潜め、音を必要最低限にそぎ落とした無駄のないサウンドは、聴くものの心の内に入り込み、決して離そうとはしない。