- 2025-04-15
- 2025-04-12
7弦ギター、バンドリン、クラリネットの至極のショーロ。『Na Trilha do Choro』
ブラジルの7弦ギター奏者アレサンドロ・ペネッシ(Alessandro Penezzi)と、バンドリン奏者ファビオ・ペロン(Fábio Peron)、そしてクラリネット奏者のナイロール・プロヴェータ(Nailor Proveta)による『Na Trilha do Choro』は、ブラジル特有のショーロ音楽の美しい詩情を堪能できる作品だ。
ブラジルの7弦ギター奏者アレサンドロ・ペネッシ(Alessandro Penezzi)と、バンドリン奏者ファビオ・ペロン(Fábio Peron)、そしてクラリネット奏者のナイロール・プロヴェータ(Nailor Proveta)による『Na Trilha do Choro』は、ブラジル特有のショーロ音楽の美しい詩情を堪能できる作品だ。
イタリアのサックス/クラリネット奏者フランチェスコ・ベアザッティ(Francesco Bearzatti)と、同じくイタリアのギタリストのフェデリコ・カサグランデ(Federico Casagrande)の極上のデュオ作『And Then Winter Came Again』。音楽は穏やかだが、ジャズを軸にジャンルの壁なく活躍してきた誇り高き気鋭の音楽家である二人の実験的な精神がさりげなく詰め込まれた極上の作品となっている。
バルセロナのジプシー・ブラスバンド、バルカン・パラダイス・オーケストラ(Balkan Paradise Orchestra, BPO)。誰もが踊りたくなるような力強いバルカン・ブラスに、女性のみの大編成というビジュアルの華やかさも相まって度々SNSでも話題となる彼女らの2024年『Nèctar』は、確固たるバルカンの伝統と実験的な現代性の同居する稀有なバンドによるジプシー・ブラスの傑作だ。
フランスのピアニスト/作曲家、ピエール=フランソワ・ブランシャール(Pierre-François Blanchard)の新作『#puzzled』。クラリネット奏者のトーマス・サヴィ(Thomas Savy)とともに、水鏡に映した自分自身との果てない対話のような哲学的な時間が流れる、とても美しい作品だ。
イスラエル・テルアビブのSSW、アナット・モシュコフスキー(Anat Moshkovski)の初のフルレンス・アルバム『ANAT』が素晴らしい。1970年代前後のフォークロックやフレンチポップの手触りのある良質なポップスで、アコースティック楽器を軸にした室内楽的な優しいサウンドに英語やフランス語の歌詞を乗せて優美に歌う。
クラリネット奏者のルイ・スクラヴィス(Louis Sclavis)、そしてピアニストのベンジャミン・モウゼイ(Benjamin Moussay)というフランスを代表する二人の音楽家によるデュオ作品『Unfolding』がECMからリリースされている。25年の長い歳月を良き音楽パートナーとして協力しあってきた二人は近年デュオ演奏にも力を入れており、ヨーロッパ・ツアーでも人気を博してきた。今作はその集大成的な作品で、極度に集中した音空間で至上の音楽を探究している。
イギリス・ロンドンを拠点とするバンド、アルヴォラーダ(Alvorada)。5人のメンバーで構成される彼らは、ショーロを中心としたブラジル由来の高揚感溢れる音楽を現代のロンドンの視点から捉え演奏する。2019年のデビュー作『First Light』以来の2枚目となる今作『Faz Tempo』ではほとんどをオリジナル曲でまとめ、ハーモニーもリズムもより複雑に洗練され、まさにブラジルの風を運ぶような優れた作品となっている。
アナット・コーエン(Anat Cohen)は、僕が毎年そのリリースを超楽しみにしているアーティストのひとりだ。卓越したクラリネット奏者であり、特に“ブラジル音楽”への新しい視点を提供してくれる彼女のアルバムはどれも音楽がどれだけ美しく、楽しいものであるかを完璧に伝えてくれる。それは2024年の彼女の新作『Quartetinho: Bloom』でも変わらなかった。
ワールドワイドな活動で知られるイスラエル出身のクラリネット奏者オラン・エトキン(Oran Etkin)の新譜『Open Arms』は、ブラジル、ジンバブエ、カナダ、チェコ共和国、トルコ、そして米国と世界中で現地のミュージシャンたちと録音した意欲的な作品だ。そのタイトルのとおり、分断と相互破壊が進む近年の世界において、あらゆる文化を尊重し受け入れ、つながることに焦点をあてている。
1970年代以降、イタリアのジャズを牽引してきた巨匠ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)がつくった美しい詩や絵画のような曲たちを、ハープ奏者のマルチェラ・カルボーニ(Marcella Carboni)が再解釈した作品『Miradas』。ゲストにはピエラヌンツィの最大の理解者であるクラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)を迎え、目も眩むような耽美な世界が広がる。
クラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)と、アコーディオン奏者シモーネ・ザンキーニ(Simone Zanchini)のデュオ第二弾となるアルバム『Un Ballo Con La Luna』がリリースされた。二人の初デュオ作である前作『Il Gatto E La Volpe』(2022年)はオリジナルが中心だったが、今作は逆にカヴァー曲を軸に、燦々とした地中海ジャズを聴かせてくれる絶品だ。
パレスチナのクラリネット/ネイ奏者/作曲家モハメド・ナジェム(Mohamed Najem)の新作『Jaffa Blossom』がリリースされた。一般的なジャズ・ピアノトリオ編成に彼のアラブ音楽からの強い影響が窺えるクラリネットが溶け込み、地中海から中東の街並みや歴史の物語を感じさせる魅力的な音楽が展開される作品だ。
ミナスのほかの多くの若手器楽奏者たちの例に漏れず、非常に複雑かつ瑞々しい音楽を作り出す女性ピアニスト/作曲家イガーラ(IGARA)。2021年にBDMGヤング・インストゥルメンタル(BDMG Jovem Instrumentista 2021)を受賞し、その後2023年にミナスの器楽音楽で最も意味のある賞である第22回BDMGインストゥルメンタル(BDMG Instrumental 2023)を受賞した彼女のデビューEP『O Piano, os Cavalos e o Mar』は、哲学や文学の香りをも感じさせる非常に美しい作品だ。
ピアニストのエンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)、ベース奏者イェスパー・サムセン(Jasper Somsen)、そしてクラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)。長年にわたって欧州ジャズの高いクオリティと抒情性の代名詞的な存在だった巨匠3人によるトリオ作『Traveller's Ways』がリリースされた。