- 2021-09-10
- 2021-09-11
類稀な美しいファド×室内楽。バスタルダ&ジョアン・デ・ソウサ『Fado』
バスタルダ&ジョアン・デ・ソウサ(Bastarda & Joao de Sousa)の『Fado』。ポーランドのクラリネット、コントラバスクラリネット、チェロのトリオとポルトガルのSSWジョアンが生み出した音楽史上稀に見る傑作だ。
バスタルダ&ジョアン・デ・ソウサ(Bastarda & Joao de Sousa)の『Fado』。ポーランドのクラリネット、コントラバスクラリネット、チェロのトリオとポルトガルのSSWジョアンが生み出した音楽史上稀に見る傑作だ。
スイス出身のクラリネット奏者マルコ・サンティリ(Marco Santilli) と、イタリアのピアノ/オルガン奏者イヴァン・ティボラ(Ivan Tibolla)のデュオアルバム 『CheRoba in due』が素晴らしい。全体的にクラシックの室内楽を現代的なジャズで拡張したような音楽で、ピアノ/オルガンに乗せて自由な即興を聴かせるクラリネットの音色がこの上なく美しく響く。
フルート、バスクラリネット、ギター、ピアノという編成で奏でられる美しく創造的なエグベルト・ジスモンチ曲集『Rhizomes』。演奏しているのはAntoinette Trioと、かつてフランスを代表するビッグバンドでディレクターを務めたピアニスト/作編曲家のDenis Badaultの4人。ジスモンチの名曲にフランスらしい創造的なエスプリを濃厚に詰め込んだアレンジと演奏が素晴らしい。
クラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)、ギタリストのナンド・ディ・モドゥーニョ(Nando Di Modugno)、そしてバス・ギターのピエルルイジ・バルドゥーチ(Pierluigi Balducci)の3人による極上のアルバムが届いた。クラシックのバックグラウンドを共通して持ち、個性的なジャズ・アーティストとして活躍するこのイタリアの3人による共演は2015年作『Amori sospesi』以来となる。
クラリネットというお馴染みの楽器の、驚きに満ちた新たな可能性を知りたければ、トルコの若きクラリネット奏者オヌール・チャリスカン(Onur Çalışkan)のデビューアルバム『Esrik』(2020年)をぜひおすすめしたい。(1)「Dımbıllı」から、微分音を駆使した不思議な旋律のクラリネットの音色を聴くことができる。
カナダ・モントリオールのバンド、クレストリー(Kleztory)はクレズマー、マヌーシュ・スウィング、クラシック、ジャズ、フォークなどに幅広く影響された楽しい音を聴かせてくれるバンド。結成は2000年と活動歴は長く、これまでにワールド・ミュージック(最近は“グローバル・ミュージック”か)の分野で数々の賞を受賞しているインストバンドだ。
現代ジャズで最も高い評価を得ている7人の女性アーティストたちが結集したスーパーグループ、アルテミス(ARTEMIS)がブルーノート・レコーズからデビューした。北米、南米、中東、欧州、そして日本…地域を超え最高の女性奏者が結集し傑出した演奏を聴かせてくれる必聴盤だ。
エルメート・パスコアールの愛弟子イチベレ・ズヴァルギ(Itibere Zwarg)のグループ出身、現在は複数のプロジェクトに参加しブラジル器楽シーンの要となっている木管楽器奏者、ジョアナ・ケイロス(Joana Queiros)の新譜『Tempo Sem Tempo』。コロナ禍の自粛生活の中でより自身の感覚が研ぎ澄まされたという彼女の深い内面世界を写し出したようなスピリチュアルな音楽。
カエターノ・ヴェローゾの2020年の新作『Caetano Veloso & Ivan Sacerdote』では、老いてもなお魅力的な声とギターで私たちの耳を楽しませるカエターノと、それにぴったりと寄り添い表情豊かに奏でられるジャズクラリネットの親密な演奏を聴くことができる。
現代ジャズを代表するクラリネット奏者アナット・コーエン(Anat Cohen)がテンテット名義で発表した2017年『Happy Song』と2019年『Triple Helix』は、室内楽的な10人編成のバンドが聴かせる音楽は現代ジャズ、ラテン音楽、ブラジル音楽などがバランスよく見事に融合した、彼女にしか表現し得ない独特の音楽を体験できる傑作だ。
ピシンギーニャ、エルネスト・ナザレー、ジャコー・ド・バンドリンの名曲を地中海ジャズで表現。イタリア出身のジャズクラリネットの名手、ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)の『1 - 0』は、優雅なティータイムにもぴったりの音楽だ。
イタリアのジャズクラリネット奏者、ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)と、ブラジルの作曲家/ギタリストのギンガ(Guinga)のデュオ作『Graffiando Vento』。ときに“変態的”と賞賛されるギンガの名曲の数々を、表情豊かなジャズクラリネットが歌い上げる傑作だ。