- 2025-12-10
- 2025-12-09
北欧ジャズの象徴ブッゲ・ヴェッセルトフト、世代を超えた特別な才能たちを招いた新作『Am Are』
ノルウェーの先進的なジャズを牽引するピアニスト/作曲家ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)が、個性豊かなゲストを迎えて制作した2025年新譜『Am Are』。アルバムではソロからトリオまでメンバーを変えて様々な編成やサウンドを試すなど実験的な要素がありつつ、ジャズの伝統にもしっかりと根差し、聴きやすくも刺激的な作品だ。
ノルウェーの先進的なジャズを牽引するピアニスト/作曲家ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)が、個性豊かなゲストを迎えて制作した2025年新譜『Am Are』。アルバムではソロからトリオまでメンバーを変えて様々な編成やサウンドを試すなど実験的な要素がありつつ、ジャズの伝統にもしっかりと根差し、聴きやすくも刺激的な作品だ。
ジャズにおけるリズムセクションの役割を再定義し、世界中の様々な音楽家とコラボレーションをすることをコンセプトに活動するベーシストとドラマーによるデュオ、アート・ローホ(Art Roho)。6枚目のスタジオ・アルバムとなる2025年新作『Balanka』は、彼らにとって初めてアジア圏の音楽家を迎え、これまでの北欧ジャズの気風に新たな風を吹き込んだ興味深い作品となっている。
デンマークのインストゥルメンタル・セクステットであるサンボーン(Sunbörn)と、イタリアのDJ/プロデューサーClap! Clap!(本名:Cristiano Crisci)がタッグを組み、「グローバルカルチャーとソニック・フュージョンの鮮やかな祝典」を体現する作品『Earth Is Begging』。サンバもアフロビートもファンクもジャズも飲み込み、強烈なダンス・ミュージックを展開する良盤だ。
エストニア出身のピアニスト/作編曲家ラーヘル・タルツ(Rahel Talts)は、クラシックとジャズ、そして北欧の民族音楽に根差した音楽家として注目すべき新星だ。彼女は2025年リリースの新作『New and Familiar』で、エストニア、デンマーク、リトアニア、ポーランドの出身者から成る14人編成のアンサンブルを率い、知性と感性の見事な調和を示す彼女自身の才能と、それを極めて美しく具現化するバンドメンバーたちとの強い絆を証明してみせている。
デンマーク出身のベーシスト/作曲家トーマス・フォネスベック(Thomas Fonnesbæk)が欧州最高のメンバーを迎え録音した『In Rome』が素晴らしい。北欧ジャズの静かな抒情と、ピアニストのエンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)がもたらす古いイタリア映画のようなセピア色のノスタルジアが織りなす繊細なインタープレイが実に情感豊かな作品だ。
デンマーク・オーフスのジャズトリオ、イヴェイフール(Hvalfugl)は新作『Drømme』で同郷の弦楽合奏団フー・キルド・バンビ(Who Killed Bambi)とコラボレーションし、静謐で深遠な音楽の世界へとリスナーを誘う。スカンジナビアの伝統音楽、西洋クラシック音楽、そしてジャズが境界なく溶け合い、デンマーク語で“夢”を表すタイトルのとおり、夢見心地の気持ちにさせてくれる美しい作品だ。
ベーシストのヤコブ・ローラン(Jakob Roland)とドラマーのヘンリック・ホルスト・ハンセン(Henrik Holst Hansen)のデュオ、アート・ローホ(Art Roho)がデンマーク・コペンハーゲン出身のピアニスト、マッツ・ソンダーガード(Mads Søndergaard)を迎え入れ制作した3rdアルバム。キース・ジャレットとビル・エヴァンスが同居するような音空間が美しい。
ブラジル出身、デンマーク在住の男性SSWハファエル・ジメネス(Raphael Gimenes)の2024年新譜『DINAMARCA』は、ここ数年でもっとも美しい音楽作品のひとつだ。2016年作『As Montanhas de Som』や2021年作『A Tongue Full of Suns』などリリースの度にファンを驚かせ楽しませてきた彼が、またしても10年に一度の最高のアルバムを作り上げた。
オランダの音楽学校で出会った6人の若者たちにより2014年に結成されたジャズバンド、アリガガ(Aligaga)。2023年の新譜『Music Might Help』は、彼らの好奇心に満ちた音楽の世界観を存分に楽しめる作品だ。
ニューヨーク・ブルックリンを拠点とする新進気鋭のギタリスト、マックス・ライト(Max Light)の新作EP『Bramble』。ピアノにエヴァン・メイン(Evan Main)、ベースにデンマーク出身のマティアス・ホイゴール・ジェンセン(Mathias Højgaard Jensen)、そしてドラムスにスティーヴン・クラマー(Steven Crammer)という若く柔軟な感性を持ったメンバーを迎えたカルテットで、伝統と革新が両立する優れたジャズを展開している。
デンマークのピアノ奏者カーステン・ダール(Carsten Dahl)と、ノルウェーのベース奏者オーレ・モルテン・ヴォーガン(Ole Morten Vågan)、そしてラトビア出身のドラムス奏者イヴァルス・アルトゥニアン(Ivars Arutyunyan)。北欧の名手3人による『Prism』は、ジャズらしいスウィング感も、欧州らしい抒情性も兼ね備えた見事なアルバムだ。
サーキュラー・ブリージー(Circular Breeezy)の名でも知られる2000年生まれのドイツのサックス奏者/作曲家ヴィクター・フォックス(Victor Fox)。彼のデビュー作『Mumble Jazz』で彼の音を初めて聴いたが、もうめちゃくちゃに熱く、クレイジーで最高だ。
イスラエル出身、現在はデンマークを拠点に活動するピアニスト/作曲家エヤル・ラヴェット(Eyal Lovett)の4thアルバム『Through the Rain』。感傷を運ぶ媒体としての音楽の役割を最高のレベルで体現した、アーティストの感性と表現力がリスナーの想像力を強く刺激する傑作だ。
西アフリカ・ガンビアのグリオの家系を継ぐコラ奏者ダウダ・ジョバルテ(Dawda Jobarteh)の最新作『Do You Know a Place Called Flekkeroy?』は、ノルウェーのトランペット奏者グンナー・ハレ(Gunnar Halle)を大々的にフィーチュアした北欧とアフリカそれぞれの叙情性が見事にマッチした稀有な作品だ。