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ドラムス

  • 2025-04-20
  • 2025-04-20

ブラジル音楽への深い敬意が込められた名手たちの最高のギタートリオ。名曲に吹き込む新たな視点

ブラジルに生まれ、現在はオランダで活動するベーシストのマテウス・ニコライエフスキー(Matheus Nicolaiewsky)が、イスラエル出身米国在住、南米音楽に造詣の深いギタリストのヨタム・シルバースタイン(Yotam Silberstein)と、ブラジルのドラマーキコ・フレイタス(Kiko Freitas)とのトリオでデビューアルバム『Volume I』をリリースした。

  • 2025-04-18
  • 2025-04-18

現代社会の混沌をサウンドに詰め込んだ注目の男女デュオ、Obradovic-Tixier Duo『Jiggled Juggler』

クロアチア出身の女性ドラマー/作曲家ラダ・オブラドヴィッチ(Lada Obradovic)とフランス出身の男性ピアニスト/作曲家ダヴィッド・ティクシエ(David Tixier)によるデュオ、オブラドヴィッチ=ティクシエ・デュオ(Obradovic-Tixier Duo)の3枚目のフルレンス・アルバム『Jiggled Juggler』が素晴らしい。彼らの音楽は、ますます複雑になる現代社会がかろうじて保っている秩序と、過剰なリベラリズムとバターナリズムによってもたらされる分断と混沌による秩序の破壊という危機が交錯する時代の空気を見事に捉えている。

  • 2025-03-21
  • 2025-03-21

知性派現代ジャズの最前線ピアノトリオ。太陽の恵みをテーマとしたフィリップ・レム最新作

オランダ出身のドラマー/作曲家フィリップ・レム(Philippe Lemm)の4枚目となるスタジオ・アルバム『Echo The Sun』。今作ではトリオにインド出身ピアニストのシャーリク・ハサン(Sharik Hasan)を新たに迎え、太陽の恵みによる光と温かさ、回復力をテーマとした音楽的探求を特徴とした素晴らしい現代ジャズを展開する。

  • 2025-02-22
  • 2025-02-22

多文化共生のカナダ・トロントJAZZシーンを象徴する最強ピアノトリオ! Jeremy Ledbetter Trio

カナダ・トロントを拠点とするピアニスト/作曲家ジェレミー・レッドベター(Jeremy Ledbetter)率いるピアノトリオの2024年新譜『Gravity』。スナーキー・パピー(Snarky Puppy)のドラマーとして知られるラーネル・ルイス(Larnell Lewis)と、スティーヴ・コールマン(Steve Coleman)との活動で知られるベーシストのリッチ・ブラウン(Rich Brown)とのトリオで、2018年のデビュー作『Got a Light?』以来の新作だ。

  • 2025-02-02
  • 2025-02-02

ノルウェー発ジャズ・プログレ、Krokofant。象と鰐のキメラな濃厚バンド最新作

ノルウェーのプログレッシヴ・ジャズバンド、クロコファント(Krokofant)の6枚目のアルバム『6』。彼らのアルバムはもうずっとこんな感じの安易なネーミングで、それがバンドの価値を貶めてしまっていないか心配になるが、音楽自体は紛れもなく本物。70年代のプログレやジャズロックに強く影響された最高に熱い作品だ。

  • 2025-02-01
  • 2025-05-11

イスラエル・ジャズ若手代表格の人気ピアノトリオ、GTO Trio 待望の新作『Within』

ピアノのガディ・レハヴィ(Gadi Lehavi)、ダブルベースのタル・マシアハ(Tal Mashiach)、ドラムスのオフリ・ネヘミヤ(Ofri Nehemya)という現代イスラエル・ジャズ最高峰の若手3人によるピアノトリオ、GTO Trio が新作『Within』をリリースした。10年以上にわたるコラボレーションの中でトリオとしてのアルバムはこれまでに2018年の『From the Road』のみだったが、それぞれがリーダーとして、あるいはプレイヤーとして世界中の様々なミュージシャンらと共演してきた経験を再び長い友情の中に持ち込み、それぞれの成長を反映させたような素晴らしい作品となっている。

  • 2025-01-07
  • 2025-01-05

現代最高峰のオーセンティック・ジャズ。アリ・ホーニグ・トリオ新作『Tea for three』

米国のドラマー、アリ・ホーニグ(Ari Hoenig)の新譜『Tea for three』。ピアノのガディ・レハヴィ(Gadi Lehavi)、ベースのベン・ティベリオ(Benjamin "Ben" Tiberio)とのトリオ編成は前作『Golden Treasures』(2022年)と同じ面子で、長いキャリアを持つアリにとっても同じメンバーで2枚続けてアルバムをリリースするのは初めてのようだ。

  • 2024-11-29
  • 2024-11-28

現代ヨーロッパ・ジャズの並外れたプレイヤーが集うクインテット「NOVA」、注目の新譜

ベルギーの気鋭ベーシスト/作曲家、フェリクス・ツルシュトラッセン(Félix Zurstrassen)の“Nova”プロジェクトの第三弾『NOVA Elusive』。細部まで練られたコンポージングや、様々な国からジャズという共通言語の旗印のもとに集ったメンバーによるボーダーレスなサウンドは、現代ジャズの筆頭格という彼らのこれまでの評価を裏切らない素晴らしい出来栄えだ。

  • 2024-11-08
  • 2024-11-06

祖国の危機に想いを馳せるドラマー、ファビオ・ロハス 緊張感に満ちた圧巻のジャズ『Perseverance』

ベネズエラから米国に移住し、ニューヨークで活動するドラマー・作曲家ファビオ・ロハス(Fabio Rojas)の初リーダー作『Perseverance』。アルバムのタイトルは英語で“忍耐力”だが、彼が好むスペイン語の“el que persevera, vence”(耐え忍ぶ者が勝つ)という諺からインスパイアされたものであり、これは祖国ベネズエラの混迷を極める独裁的な政治への言及と、個人的な葛藤の想いを反映したものとなっている。

  • 2024-10-26
  • 2024-10-26

ブラジル北東部音楽とジャズ・ヴァイオリンの個性的な融合。名手ヒカルド・ヘルス、トリオ新作

ブラジルのヴァイオリン奏者ヒカルド・ヘルス(Ricardo Herz)、ピアニストのファビオ・レアンドロ(Fabio Leandro)、そしてドラマーのペドロ・イトー(Pedro Ito)によるトリオ作『Sonhando o Brasil』は、ブラジル土着のリズムとジャズやクラシックが混ざり合った楽しい音楽を聴くことのできる逸品だ。

  • 2024-10-04
  • 2025-07-25

「踊れ、誰も見てはいない」──UKジャズ新時代を拓くエズラ・コレクティヴ、音楽の喜びを覚醒させる新譜

2022年リリースのアルバム『Where I'm Meant To Be』で、ジャズバンドとして史上初めてマーキュリー賞を受賞した頃から、UKジャズの中心には常にエズラ・コレクティヴ(Ezra Collective)という存在があった。ジャズバンドがおおよそ到達できるものとは多くの人が思ってもいなかった高みに到達した彼らは、多くの人々に音楽的な豊かさや発見をもたらし、そのポジティヴな音楽は人々を勇気づけた。

  • 2024-09-21
  • 2024-09-28

現代ジャズと現代音楽の最もエキサイティングな融合。Trio HLK『Anthropometricks』

スコットランドのジャズトリオ、Trio HLK が2ndアルバムとなる『Anthropometricks』をリリースした。鍵盤奏者/作曲家のリッチ・ハロルド(Rich Harrold)、8弦ギター奏者アント・ロウ(Ant Law)、そしてドラマーのリッチ・カス(Rich Kass)の頭文字から取られたこのトリオは、伝統的なジャズやクラシックの枠に囚われない自由な発想で聴き応え抜群の音楽を発信している。