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フォーク

  • 2023-11-06
  • 2023-11-06

ロンドンで活躍するザンビア出身SSWナンヴラ、社会的テーマを独自の音で表現する新作

ロンドンを拠点に活動するシンガーソングライター、ナンヴラ(Namvula)。彼女のアイデンティティはアフリカ南部の内陸国ザンビアにあり、彼女の音楽もまた、ザンビアの伝統的な音楽スタイルとロック、ジャズ、フォークなどのジャンルを融合させた独自のものを築いている。彼女の新作EP『All Shades of the Sun』は、前作『State of Emergency』で試みたエレクトロニックとの融合は幾分影をひそめ、ギターを中心とした素朴な曲調、丁寧なサウンド・プロダクションが印象的な作品に仕上がっている。

  • 2023-10-16
  • 2023-10-16

南米先住民の誇りと伝統を歌う。ボリビアの伝説的歌手ルスミラ・カルピオ新譜『Inti Watana』

ケチュア族の伝統を伝えるために国際的な活動を続けてきたボリビアの歌手/作曲家、ルスミラ・カルピオ(Luzmila Carpio)の2023年9月リリースの新譜『Inti Watana (El Retorno del Sol)』。タイトルのインティ・ワタナとはインカ帝国の公用語であったケチュア語で「太陽をつなぎとめる場所」という意味で、マチュピチュ遺跡の最も高い場所に置かれている花崗岩の彫刻で広く知られている。

  • 2023-10-15
  • 2023-10-14

アルゼンチンの極上カルテット、Flores de la Noche 新作『Verde Candil』

アルフォンソ・ベケス&シルビア・サルモネ名義での前作『Flores de la Noche』が絶賛された、アルゼンチン音楽の粋の結晶のようなカルテット、フローレス・デ・ラ・ノーチェ(Flores de la Noche)による新作EP『Verde Candil』。打楽器奏者/作曲家/歌手シルビア・サロモネ(Silvia Salomone)、ギタリスト/歌手アルフォンソ・ベケス(Alfonso Bekes)、同じくギタリスト/歌手のルイス・メディナ(Luis Medina)、そしてチェロ奏者/歌手パトリシア・エイン(Patricia Hein)の4人が奏で、歌う極上の南米音楽だ。

  • 2023-08-20
  • 2023-08-20

人生を深く考察する社会派SSWイザベラ・ブレッツ、情報過多の時代に癒しをもたらす新譜

ブラジルのシンガーソングライター、イザベラ・ブレッツ(Isabella Bretz)と鍵盤奏者ホドリゴ・ラナ(Rodrigo Lana)の共同名義のアルバム『Cabeça Fora D'Água』が美しい。二人の共作である(10)「Cabeça Fora D'Água」を除く全曲がイザベラ・ブレッツの作詞作曲。情報過多・不確実な時代に生きる人々に癒しをもたらし、人間らしい生活とは何かを考えさせてくれる10の優れた楽曲が収録されている。

  • 2023-08-06
  • 2023-08-05

黄昏時の魔法のような音楽。フィンランドの“電気羊飼い”が示す伝統と革新の狭間

“電気羊飼い”を意味するグループ名を持つフィンランドの3人組ユニット、セーコパイメン(Sähköpaimen)の2ndアルバム『Hämärä』は非常に興味深い音楽作品だ。アルバムタイトル「Hämärä」とは“黄昏”の意味で、昼と夜の曖昧な境界線を彼らの伝統と革新の両方に足を踏み入れた音楽性に喩えている。

  • 2023-07-29
  • 2023-08-19

ポール・サイモンの生き様が詰まった新作『七つの詩篇』

ポール・サイモン(Paul Frederic Simon)は1941年10月13日、アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューアークのユダヤ人の中流家庭に生まれた。いつも聖書を読み、神が私たち全員に目を留めておられると信じて育った少年は、その後の長い人生を通じて、彼が“家族”と呼ぶ同じくユダヤ系のアート・ガーファンクル(Arthur Ira Garfunkel, 1941 - )とのデュオ時代を含め、史上最多の13度のグラミー賞を受賞し、ミュージシャンとしては唯一「世界で最も影響力のある100人」に選出されるほどの成功を収めた。

  • 2023-07-09
  • 2023-07-08

心の栄養になる上質な音楽。エルサレムのオーガニックなバンド、Tiyul デビュー作『Shibolim』

シンガーソングライター/ギタリストのオムリ・ポラット(Omri Porat, ヘブライ語:עומרי פורת)を中心にイスラエルのエルサレムで結成されたグループ、ティユル(Tiyul)のデビュー作『Shibolim』が最高に心地いい。バンドは4人で、オムリ・ポラットによるガットギターとヴォーカルのほか、フルート、ダブルベース、パーカッションという編成。木漏れ日のような温かくオーガニックなアンサンブルは音楽的に非常に洗練されており、リラックスの極致を味わわせてくれる。

  • 2023-05-28
  • 2023-05-28

エルチン・シリノフのピアノで、スコットランドの伝統曲を謳う。ジャズ×フォークの温かな作品

スコットランドのヴォーカリスト、ルイーズ・ドッズ(Louise Dodds)と、アゼルバイジャン出身のピアニスト、エルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)のデュオによるスコットランド歌曲集 『Two Hours After Midnight』がリリースされた。スコットランドの原風景を感じさせる素朴で美しい旋律と歌声、個性的で優れた編曲とピアノ演奏がジャズの感性で調和し、耳に優しく響く素晴らしい作品だ。

  • 2023-05-12
  • 2023-05-11

テルアビブの人気インディー・フォークMIQEDEM、休息をテーマに多様な民族楽器で表現した新譜

イスラエル・テルアビブを拠点に活動するインディー・フォークバンド、MIQEDEMの3rdアルバム 『Eshkona』。傑作と絶賛された前作『כרך ב׳』の民族音楽的なニュアンスをそのままに、さらにサウンド面で洗練された音楽に仕上がっている。“休息”をテーマにした今作には安堵はあれど暗澹さはまったくない。全編にわたって感じられるのは辛い時期を乗り越えて未来へ向かう希望だ。

  • 2023-04-30
  • 2023-04-30

ラテンアメリカの空気が聴こえる。コロンビア人歌手率いるアルゼンチン音楽グループ、La Contienda

コロンビア出身女性ヴォーカリスト/作曲家カロル・バジェール(Karol Bayer)を中心とし、作詞作曲/ギターを担うセバスティアン・ロペス(Sebastián López)、ソロ作品なども人気の鍵盤奏者セバスティアン・マッキ(Sebastián Macchi)らアルゼンチン出身の器楽奏者たちとで構成されるグループ、ラ・コンティエンダ(La Contienda)による初の全曲オリジナルの2ndアルバム。

  • 2023-01-25
  • 2023-01-25

ディアスポラの切なる想いと願いを歌うBlack Ox Orkestar 再結成!15年ぶりの新譜リリース

ユダヤ系のディアスポラである4人のメンバーで構成されたカナダのバンド、ブラック・オックス・オーケスター(Black Ox Orkestar)が実に15年ぶりとなる新作『Everything Returns』をリリースした。バンドは2000年にモントリオールで結成され、2006年までに2枚のアルバムをリリースしていたが同年に解散。今作は2021年に再結成されてから最初の作品となる。

  • 2023-01-08
  • 2023-11-15

アルジェリアを代表する女性SSWスアド・マッシ、地中海周辺音楽や南米テイストも取り込んだ新作

アルジェリア出身のシンガーソングライター/ギタリストのスアド・マッシ(Souad Massi)は、通算10枚目となる新作『Sequana』で彼女の音楽の幅をさらに広げた。プロデューサーはアラブやアフリカ音楽にも造詣の深い英国のギタリスト、ジャスティン・アダムス(Justin Adams)。

  • 2022-11-30
  • 2022-11-29

ラテングラミー新人賞受賞、シルバナ・エストラーダのあまりに美しく枯れたデビュー作

チャーリー・ハンター(Charlie Hunter)との共演で知られるメキシコのフォーク・ポップ・シーンの新星シルバナ・エストラーダ(Silvana Estrada)のソロ・デビュー作 『Marchita』は、近年ますます注目されるラテン音楽の中でも際立って退廃的な美しさを湛え、それがゆえに親近感を抱いてしまう傑作だ。