- 2020-08-03
- 2020-08-04
さりげなく散りばめられた“ワールド・ミュージック”が魅力的なジャズギタートリオ新譜『Believers』
世界中の音楽をジャズの言語の中に落とし込み、これまでボーダーレスに活躍してきた3人のアメリカ人ミュージシャン──ギターのブラッド・シェピク、ベースのサム・ミナイエ、ドラムスのジョン・ハドフィールドがトリオを結成し創り上げたアルバムがこの『Believers』。普通のジャズ・ギタートリオとは一線を画す、現代的なサウンドが洪水のように押し寄せる。
世界中の音楽をジャズの言語の中に落とし込み、これまでボーダーレスに活躍してきた3人のアメリカ人ミュージシャン──ギターのブラッド・シェピク、ベースのサム・ミナイエ、ドラムスのジョン・ハドフィールドがトリオを結成し創り上げたアルバムがこの『Believers』。普通のジャズ・ギタートリオとは一線を画す、現代的なサウンドが洪水のように押し寄せる。
独特の世界観でコアなファンを持つイスラエルのプログレバンドTATRANの鬼才ドラマー、ダン・マヨ(Dan Mayo)のソロ新作EP『Not a Talker』がリリースされた。前作『Big Brown Eyes』も狂気を感じさせるドラミングが炸裂するエレクトロジャズだったが、今回もその辺の凡庸な音楽にはない殺気のようなものを感じさせる、えげつない音楽が押し寄せてくる。
フランスのサックス/フルート奏者ソフィー・アルール(Sophie Alour)の2020年新譜『Joy』は、エジプトのウード奏者モハメド・アボゼクリ(Mohamed Abozekry)を迎えて創作した良質エキゾ・ジャズ。
世界中のリズムや音階を取り入れた独自のジャズを創り続けている米国シカゴ出身のピアニスト/作曲家、ライアン・コーハン(Ryan Cohan)の7年ぶり新譜『Originations』。ピアノ、ベース、ドラムス、中東の打楽器、管楽器、さらには弦楽四重奏という11人編成で緻密に演奏される魅惑の音楽だ。
ノルウェーのジャズ・チューバ奏者ダニエル・ハースケダール(Daniel Herskedal)の7枚目のアルバムとなる新譜『Call for Winter』は、チューバやバストランペットの多重録音で創られた完全なるソロ作。アルバムタイトルに相応しい孤高の音楽で、北欧の厳しくも美しい自然や、人間本来の孤独の姿を語る。
ポーランドのジャズヴァイオリン奏者アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、ノルウェーを代表するピアノトリオ、ヘルゲ・リエン・トリオ(Helge Lien Trio)と組み2015年に残した北欧ジャズの大名盤『Bridges』。
音楽はオンラインのストリーミング配信で聴くことが当たり前になったが、まだまだ権利者の都合でSpotify、Apple Musicといった代表的なサブスク音楽配信サービスには存在していない作品も存在する。人類の音楽文化の中で決して忘れ去られてはいけない“サブスクで聴けない名盤”を紹介したい。
ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテート(DDG4)での活躍や、若く優れた音楽家を支援するプロジェクトなど、ブラジル・サンパウロのジャズ周辺の現行音楽シーンの中心人物であるダニ・グルジェル(Dani Gurgel)の新しいプロジェクト「São Paulo Panic」。ジャズという共通言語のもと、国籍を超え集まった猛者たちの素晴らしくクリエイティヴな作品。
ファンク、ヒップホップ、ネオソウル、ゴスペル、それにアフリカの伝統音楽から強いインスピレーションを受け、独自のジャズに昇華したスィブスィソ・マシロアネ(Sibusiso Mash Mashiloane)の音楽は未知の連続でスリリングだ。強烈なポリリズムの繰り返しが呪術的な魅力を放つ(1)「Umthandazo」から、魔法のような音楽が続く。
『Agua e Vinho』は、オーストラリア出身のプロのリコーダー奏者、ロドニー・ウォーターマン(Rodney Waterman)と7弦ガットギター奏者、ダグ・デ・ヴリーズ(Doug de Vries)のデュオ作品。パスコアールやジスモンチ、古き良きショーロやクラシックなど極上の時間を味わえる全21曲!
これは現在に至るまで、私の音楽観の原点のようになっているアルバムのひとつ。キース・ジャレット(Keith Jarrett)が北欧のミュージシャンとのカルテットで1978年に発表した『My Song』。
ブラジル出身、現在は米国ニューヨークを拠点に活動するジャズギタリスト、シコ・ピニェイロ(Chico Pinheiro)がソロ名義では10年振りとなるアルバム『City of Dreams』をリリースした。彼のギターは相変わらずの凄まじいインパクトで、(1)「City of Dreams」の後半で聴かれるような淀みなく流れ続けるアドリブ・ソロにはただただ圧倒される。
ブラック・ブリティッシュ随一のシンガーと称賛されるザラ・マクファーレン(Zara McFarlane)の4作目となる2020年新譜『Songs of an Unknown Tongue』は、従来の作品よりエレクトロニカの比重が増し、さらにジャマイカ人の両親を持つという彼女のルーツを探るようなリズム、パーカッションに彩られた新鮮なサウンドが魅力的な一枚。
米国ロードアイランド州出身の気鋭ピアニスト、ジュリアン・ショア(Julian Shore)の新譜『Where We Started』は、どこか北欧ジャズのような深く内省的な精神性を感じさせる好盤。本作は2016年作『Which Way Now?』以来4年ぶりの3rdアルバムだ。