- 2021-08-29
- 2021-10-05
トルコの現代ジャズをリードするチャグリ・セルテル、コロナ禍の小品集
トルコの現代ジャズを代表する鍵盤奏者チャグリ・セルテル(Çağrı Sertel)の新譜『Burada Buysa Budur』は、打ち込みリズムと鍵盤での即興を中心とした良質なハイブリッド・ジャズに仕上がっている。どの曲も洒落たコード進行とリズム、ピアノの即興のいずれも心地よく、彼の類稀なセンスが垣間見える作品だ。
トルコの現代ジャズを代表する鍵盤奏者チャグリ・セルテル(Çağrı Sertel)の新譜『Burada Buysa Budur』は、打ち込みリズムと鍵盤での即興を中心とした良質なハイブリッド・ジャズに仕上がっている。どの曲も洒落たコード進行とリズム、ピアノの即興のいずれも心地よく、彼の類稀なセンスが垣間見える作品だ。
フロリダ州マイアミを拠点とする4人組の気鋭ジャズバンド、エレクトリック・キフ(Electric Kif)の新譜『Dreamlike』は、グルーヴィーでフィーリング満点の音響派ジャズだ。ゲストにはアーロン・パークス(Aaron Parks)も参加。
イスラエル出身、ニューヨークで活動するピアニスト/作曲家のサーシー・シャローム(Sasi Shalom)の2021年新譜『Nedyaj』。これはかなり面白い作品だ。30年におよぶ長い活動歴を誇りながらもほぼ無名の音楽家による、現代のイスラエル製ニューヨーク・ジャズの的を射た優れた作品であることは間違いない。
ジャズピアニストであり、同時にヒップホップのMCでもあるという肩書きを持つミュージシャンを探すことは容易ではないが、ロンドンの鍵盤奏者/SSW/MC/プロデューサーのアルファ・ミスト(Alfa Mist)は、これまでに2017年のデビュー作『Antiphon』などでそれらを両立する稀有な才能を示し証明してきた数少ないアーティストのひとりだ。
ボストンのバンド、クロスウォーク・アナーキー(Crosswalk Anarchy)が面白い。鍵盤奏者/作曲家のエヴァン・ワーラマー(Evan Waaramaa)を中心とする5人組で、2019年にアルバム『Composite』でデビュー。ジャズ、ロック、ヒップホップ、R&Bなどに影響されたサウンドで、アルバム収録曲のジャンルも多岐にわたる。
イスラエルのピアニスト/作曲家/プロデューサーのオメル・クリンゲル(Omer Kringel)の2020年作『Okan Project』が素晴らしい。7ヵ国から総勢60名のミュージシャンが参加、驚くほど彩豊かな最高のラテン・ミュージックを作り上げた。
イスラエルの良質なJazz/ネオソウルのレーベル、Raw Tapes より、アヴィシャイ・コーエン・トリオで活躍したピアニスト/作曲家のニタイ・ハーシュコヴィッツ(Nitai Hershkovits)と、バターリング・トリオのヴォーカル/作曲家ケレンダン(KerenDun)のデュオ作が登場。
リジョイサー、ニタイ・ハーシュコヴィッツ、アミール・ブレスラー、そしてヨナタン・アルバラクというイスラエルジャズの最先端を走る4人のミュージシャンが集ったスーパーユニット、Apifera のデビュー作『Overstand』。母国イスラエルの伝統音楽、西洋クラシックのサティやラヴェルといった印象派、アフリカの伝統音楽、さらにはサン・ラのようなスピリチュアル・ジャズをすべて混ぜ込み、現代ジャズの音で出力したような幻想的な音楽は、彼らが“現実以上に明晰な夢のよう”と称するとおり、美しい幻覚を見ているような心地よさ。
米国シカゴ郊外出身のマルチプレイヤー/作曲家、ダギー・スチュ(Dougie Stu, 本名:Douglas Stuart)の2020年新譜『Familiar Future』は、浮遊感のあるクールなサウンドが特徴的な現代ジャズの作品。ローズピアノを多用したタイトル曲の(2)「Familar Future」など、彼が敬愛するシカゴ出身の巨匠ラムゼイ・ルイスへのリスペクトが感じられる。
イギリス出身のサックス/キーボード奏者ウィル・ヴィンソン(Will Vinson)、イスラエル出身のギタリスト、ギラッド・ヘクセルマン(Gilad Hekselman)、そしてメキシコ出身のドラマー、アントニオ・サンチェス(Antonio Sanchez)。ジャズを通じてNYで出会った3人の猛者による斬新なトリオ作!
米国のサックス奏者/作曲家ベン・ウェンデル(Ben Wendel)による5枚目のアルバム『High Heart』がリリースされた。2019年から活動を共にするメンバー6人編成で、特徴的なのはシャイ・マエストロとジェラルド・クレイトンという2枚の鍵盤奏者、そしてスキャット歌手マイケル・メイヨーの存在。
イスラエルはエルサレムを拠点に活動するピアニスト/シンガーソングライター、スタヴ・ゴールドベルグ(Stav Goldberg, ヘブライ語:סתיו גולדברג)のデビュー作『Songs』には、新世代のSSWらしい豊かな叙情性と、ジャジーな作編曲/演奏で一聴して只者ではないという印象を植えつけられた。
ブラジルの作編曲家/鍵盤奏者のヒカルド・バセラール(Ricardo Bacelar)のライヴ・アルバム『Ao Vivo no Rio』(2020年)は、ブルースやジャズ、そしてブラジルのポピュラー音楽であるMPBなどがふんだんに盛り込まれた彼の地でしか為し得ないと思える作品で、ブラジリアン・ジャズの魅力を知るには良い一枚だ。
ベルギー出身、NYを拠点に活躍するピアニスト/作曲家、カシミール・リベルスキ(Casimir Liberski)がトリオで録音した2019年作『Cosmic Liberty』。アニマルズ・アズ・リーダーズ(Animals As Leaders)のドラム奏者マット・ガーストカ(Matt Garstka)が参加しており、各曲のクオリティの高さとも相まって一部界隈で話題になった作品だ。