- 2022-12-20
- 2022-12-15
ハンガリー発、多様性のジャズ。新鋭ラファエル・マリオ・トリオの2nd『Blessing』
ハンガリー・ブダペスト生まれのピアニスト/作曲家、ラファエル・マリオ(Rafael Mario)のピアノトリオによる第二作目『Blessing』は、並外れた作曲センスと現代的な演奏感覚を持つ彼らの真価が発揮された見事な作品だ。ヨーロッパらしいジャズに留まらず、ハンガリーやローマの伝統音楽、ラテン音楽、バルカン音楽、エレクトロニックなども取り入れた多様性が楽しい。
ハンガリー・ブダペスト生まれのピアニスト/作曲家、ラファエル・マリオ(Rafael Mario)のピアノトリオによる第二作目『Blessing』は、並外れた作曲センスと現代的な演奏感覚を持つ彼らの真価が発揮された見事な作品だ。ヨーロッパらしいジャズに留まらず、ハンガリーやローマの伝統音楽、ラテン音楽、バルカン音楽、エレクトロニックなども取り入れた多様性が楽しい。
南アフリカのアルトサックス/フルート奏者、ントゥンジ・ンヴブ(Mthunzi Mvubu)によるデビュー作『The 1st Gospel』がリリースされた。注目の若手ベーシストのダリス・ンドラジ(Dalisu Ndlazi)、中堅ピアニストのアフリカ・ンキーゼ(Afrika Mkhize)、数曲でゲスト参加するンプミ・ダラミニ(Mpumi Dhlamini)など、ハイレベルな南アフリカの現行ジャズシーンを象徴するようなメンバーが集い、多様なプレイを聴かせてくれる好盤だ。
前回のグラミー主要4部門を受賞したブルーノ・マーズ(Bruno Mars)とアンダーソン・パーク(Anderson .Paak)のスーパーデュオ、シルク・ソニック(Silk Sonic)。ちょうど昨年の今頃、本サイトでも取り上げた彼らの作品『An Evening With Silk Sonic』の楽曲「Skate」に参加した才能溢れる若者が、アンダーソン・パークが主宰するレーベル、エイプシット・インク(APESHIT Inc.)から今年デビューを果たした。キーボードのドミ (DOMi LOUNA)と、ドラムスのJD・ベック (JD BECK)による2人組ユニット、DOMi & JD BECK。そのあどけない見た目とは裏腹な大人びたサウンドと超絶テクニックでアンダーソン・パークのみならず、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)やロバート・グラスパー(Robert Glasper)からも熱い視線を浴びる22歳と19歳の若きアーティストのデビュー作『Not TiGHT』。これを聴けば錚々たるレジェンド達が何故ここまで彼らをフックアップするのかがきっとわかるはずだ。
2018年のデュオ作『Hummingbird』も好評を博したノルウェーのピアニスト、ヘルゲ・リエン(Helge Lien)と同国のスライド・ギター奏者クヌート・ヘム(Knut Hem) による新作『Villingsberg』が届いた。カントリーやブルーグラスのフィーリングを持ちながら、やはり曲調や音は北欧そのものの装いで、前作がアメリカーナならぬ“ノルディカーナ(Nordicana)”と評されたという逸話も頷ける。
クラシックとジャズの両分野で活躍するウクライナ出身のピアニスト、ディミトリ・ナイディッチ(Dimitri Naïditch)の新作 『Ukraine, les chansons sans voix』は、“ウクライナ - 声なき歌”のタイトルが示すとおり、故郷への声にならない祈りを捧げるソロピアノ演奏集となっている。
ポルトガル出身のドラマー/作曲家ジョアン・レンカストレ(João Lencastre)が初のカルテット編成で録音した新作『Safe in Your Own World』は、独特の哲学を持った音楽世界に誘う即興要素の強いジャズ作品だ。爆音で聴くことを推奨したい。
ヨーロッパ・ジャズのグループとして最も成功し、後進に大きな影響を残したピアノトリオ、e.s.t.(Esbjörn Svensson Trio)のリーダーでありピアニスト/作曲家のエスビョルン・スヴェンソン(Esbjörn Svensson)がスキューバダイビング中の不慮の事故で亡くなるわずか数週間前に、彼の自宅で録音され、その後妻のエヴァ・スヴェンソンによって“発見”されるまでハードディスクの中に眠っていたままになっていた未発表音源が1枚のアルバムとなってリリースされた。
ブラジルを代表するピアニスト、アンドレ・メマーリ(André Mehmari)とチェリスト、ハファエル・セザリオ(Rafael Cesario)のデュオ新作EP『Meu Brasil』は、前作よりも“ブラジルの音楽”にフォーカスした作品となった。
ポーランドのピアニスト、レシェック・モジジェル(Leszek Możdżer)と、スウェーデンのベーシスト、ラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson)、そしてイスラエルの打楽器奏者ゾハール・フレスコ(Zohar Fresco)。 長らく北欧ジャズのシーンを牽引してきたこの3人がオランダの室内楽集団ホラント・バロック(Holland Baroque)を迎え録音した稀有な室内楽×北欧ジャズのハイブリッド作品『Just Ignore It』。
アルゼンチンを代表するピアニスト、エルナン・ハシント(Hernán Jacinto)の実に7年ぶりとなるリーダー作『Hope』。彼の作品としては3枚目で、スピネッタやスナーキー・パピー、ルベン・ラダ、メルセデス・ソーサにエルメート・パスコアールといった国内外のレジェンドたちと共演を重ねる彼らしく、瑞々しい感性と音楽的発想力に溢れた素晴らしい作品となっている。
ブラジル出身のピアニスト、エンヒキ・アイゼンマン(Henrique Eisenmann)と、ブラジル系米国人の歌手リヴィア・ネストロフスキ(Lívia Nestrovski)のデュオによる2022年新作『Nação』は、ブラジル音楽をこよなく愛する二人が祖国を代表する音楽家たちの名曲を中心に表現力豊かに演奏した名作だ。
イタリアのピアニスト、ステファニア・タリーニ(Stefania Tallini)と、ブラジルのハーモニカ奏者ガブリエル・グロッシ(Gabriel Grossi)のデュオ・アルバム『Brasita』。数曲で巨匠チェリスト、ジャキス・モレレンバウム(Jaques Morelenbaum)をゲストに迎え、クラシカル&ジャジーな極上の音を聴かせてくれる。
イスラエルのシンガーソングライター、ノアム・クラインシュタイン(Noam Kleinstein)のデビューアルバム『Noam Kleinstein』。父親譲りの洗練されたソングライティング、母親譲りの表現力、若者らしい瑞々しく希望に満ちた感性と、それと同様に若者らしい不安な気分とアンニュイな雰囲気を兼ね備えた不思議なフィーリングで、新たな才能の登場を強く印象付ける傑作となっている。
アルメニア系フランス人ピアニスト/作曲家アンドレ・マヌーキアン(André Manoukian)の新作『Anouch』は、これまででもっとも彼自身のルーツを強く意識した作品に仕上がっている。本作は20世紀初頭の“死の行進”を耐え、生き延びた祖母へと捧げられており、ジャズ、クラシック、フラメンコなどの表現手法も用い、アルメニア人の記憶に刻まれた魂の音楽を奏でる。