- 2020-03-01
- 2022-07-19
絵画的な美しさ、ヴァルダン・オヴセピアン&タチアナ・パーハ新譜『Triptych』
アルメニア出身のピアニスト、ヴァルダン・オヴセピアンとブラジルを代表するシンガー、タチアナ・パーハのデュオ新作がリリースされた。『Triptych』(三連祭壇画)と名付けられた今作は、その名の通りシリーズを総括する静謐で格調高く、絵画的な感動のある一枚だ。
アルメニア出身のピアニスト、ヴァルダン・オヴセピアンとブラジルを代表するシンガー、タチアナ・パーハのデュオ新作がリリースされた。『Triptych』(三連祭壇画)と名付けられた今作は、その名の通りシリーズを総括する静謐で格調高く、絵画的な感動のある一枚だ。
エストニア出身のピアニスト/歌手/作曲家、カトリ・ヴォーラント(Kadri Voorand)の2020年作『In Duo with Mihkel Mälgand』はベーシスト、ミヒケル・マルガンドとのデュオ編成での趣向を凝らしたオリジナル曲のほか、マイケル・ジャクソンのカヴァー(6)「They Don't Really Care About Us」なども魅力的な意欲作。
ブラジルのピアニスト/作曲家、アンドレ・メマーリの2枚組全30曲におよぶ大作『Canteiro』は、あらゆる楽器に精通し、ジャズ、クラシック、ポピュラー音楽の境目なく活躍する稀代の天才アーティストの真髄であり最高傑作のひとつだ。様々な歌手を迎え、「歌」にフォーカスした本作は全曲がアンドレ・メマーリによる作曲。とても丁寧に紡がれたメロディーはどれもが耽美な世界観を持つ名曲ばかりで、彼の音楽への尽きない愛が溢れ出る。
イスラエルの革新的なピアノトリオ、シャローシュ(Shalosh)と、同国を代表するジューイッシュ・ジャズサックス奏者ダニエル・ザミール(Daniel Zamir)が最新のコラボ動画をYouTubeで公開している。
個性派SSW/マルチ奏者のアリス・ザワツキー(Alice Zawadzki)の2019年新譜『Within You Is a World of Spring』は、シャーロット・マンのペインティングによる見事なジャケットアートに象徴されているとおり、強烈なインパクトを残す快作だ。
クラシック音楽のジャズアレンジなんて世の中にゴマンとあるが、ドイツのピアニスト/作曲家のマルクス・シンケル(Marcus Schinkel)のトリオがギタリストのヨショ・ステファン(Joscho Stephan)を迎えて録音した2019年作『Classic Meets Gypsy』は、それら凡百の“ジャズ風クラシック”とは一味も二味も違う作品だ。
ダヴィ・フォンセカ(Davi Fonseca)。ジャズを消化したピアニストでありプログレッシブな曲を書く作曲家、そして特徴的な声を持つ優れたシンガーである彼を紹介するのに、今こそ“ミナス新世代”という言葉を久々に使いたい。アルバム『Piramba』でデビューしたばかりのダヴィ・フォンセカこそ、ミナス新世代と呼ばれるミュージシャンの中でも突出した新たな才能で、最も注目されるべき音楽家だ。
伝統と革新をハイレベルに混合し独自の進化を続けるイスラエルジャズシーンの中でも、ここ数年注目の度合いを増すピアノトリオ、Shalosh。ロックからの影響が色濃く反映されたジャズを奏でる彼らの2019年作『Onwards and Upwards』は、バッド・プラスやエスビョルン・スヴェンソン・トリオらの革新的なジャズのDNAを受け継ぎつつ、独自の世界観を築くことに成功し特に若い世代から大きな支持を集めている。
10代の頃から天才ジャズピアニストとして名を馳せ、数枚のアコースティック・ジャズアルバムを発表し、現在はネオソウル〜エレクトロミュージックに傾倒するイスラエルのピアニスト/作曲家トメル・バール(Tomer Bar)が新プロジェクトを始動している。
エドゥアール・フェルレは昔から不思議なピアノを弾く人だった。彼の演奏は即興が主体だが従来の“ジャズっぽさ”がほとんどない。かといってクラシックそのものでもなく、彼が生み出すハーモニーもメロディーも、どこか宙を漂うような、掴み所のない感覚に溢れている。おそらく、彼の音楽を最初に聴くひとは戸惑うだろう──この音楽のルーツは一体何なんだろう、と。
フランスの女性ジャズピアニスト/歌手/作曲家のマシャ・ガリビアン。クラシック出身らしい粒が立ち輪郭のはっきりしたピアノ、エレクトリックピアノやシンセサイザーも駆使した表現力、アルメニア音楽独特のフレージング、少し陰を帯びた美しい声。エレガントな佇まいも含め、とても魅力的な音楽家だ。
女性ピアニスト、タンディ・ントゥリ(Thandi Ntuli)の2018年の2枚組大作『Exiled』は、米国ニューヨークや英国ロンドン、イスラエルなど世界中で巻き起こる新時代のジャズの爆心地のひとつとして注目される南アフリカを代表する現代の名盤だ。ファンクやR&B、そして現地の伝統音楽と絡みつつ1950年代頃より発展し続けてきた南アフリカのジャズのひとつの到達点と言っても過言はない。
仏領マルティニーク出身のピアニスト、グレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)の2020年『Soley』。デビュー作が1902年にマルティニーク島で起こった大噴火で当時の県庁所在地サン・ピエールを壊滅させ、市内で生き残ったわずか3人のうちの一人、囚人オーギュスト・シパリの物語を描いた『Tales of Cyparis』という壮大な作品だった彼らしい、コンセプチュアルな作品だ。
欧州を代表するピアニスト、ジョバンニ・ミラバッシの新譜『MITAKA CALLING -三鷹の呼聲-』はそのタイトルが連想させる通り、ジブリ映画の楽曲集。アルバム・ジャケットのイラストを自身もミラバッシのファンだと公言する宮崎駿監督が提供するなど、スタジオジブリ×ミラバッシの相思相愛の作品だ。