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ロック

  • 2023-06-30
  • 2023-07-01

多様な音楽的ルーツから独自の音楽を表現。サンパウロの大所帯バンド、Trupe Chá de Boldo 新譜

2006年にサンパウロで結成された大所帯バンド、トゥルピ・シャ・ヂ・ボルド(Trupe Chá de Boldo)による6枚目のアルバム『Rua Rio』。同バンドの特長である雑多なジャンルが混ざり合ったブラジリアン・ロックはエネルギーに溢れており、表情豊かで何よりも愉しく、同時に控えめな複雑さも含んでおり良い意味でカオティックだ。

  • 2023-06-06
  • 2023-06-05

ジャズ、ラテン、スリランカ伝統音楽などが混在する強烈プログレ。Thriloka のデビュー作『Bisura』

スリランカのプログレッシヴ・ロックバンド、Thriloka による2009年作『Bisura』が面白い。“3つの世界”を意味するバンド名の彼らは、パーカッション奏者パバル・ウィジェグナワルダネ(Pabalu Wijegoonawardane)を中心に、ロックなギター、ジャジーなピアノがエスニックな旋律の中で飛び交う。ほかの多くのプログレバンドと同じようにクラシックやロック、ラテン、ジャズなどの要素を混ぜ合いながら、Thrilokaはスリランカ独自の音楽文化を反映していく。

  • 2023-05-01
  • 2023-04-25

70年代アナドル・ロックを現代に甦らせる、アムステルダム発6人組バンドAltın Gün 新譜『Aşk』

オランダ・アムステルダム発のアナトリアン・ロックバンド、アルトゥン・ギュン(Altın Gün)の2023年新譜『Aşk』がリリースされた。パンデミックの影響でメンバーの自宅で制作された2021年の前作『Âlem』や『Yol』から一転、今作は彼らの原点とも言える70年代のバンドサウンドに回帰。ヴィンテージの機材や録音技術を使い、アナログテープでのライヴ録音にこだわったサウンドを作り上げている。

  • 2022-12-24
  • 2022-12-23

異形のギターを抱え、抑圧の中で叫ぶスーダンのバンド Noori & His Dorpa Band

アフリカ・スーダンの紅海沿岸に生まれ育ったギタリスト/作曲家Nooriが率いるバンド、Noori & His Dorpa Band の国際デビュー作『Beja Power! Electric Soul & Brass from Sudan's Red Sea Coast』。アルバムタイトルに冠されたベジャ(Beja)とは主にスーダン東部に住む古代エジプトから続くといわれている民族で、Nooriの出身である。

  • 2022-11-26
  • 2022-11-26

ベルリンの次世代ジャズの担い手、ドラマー ノア・ファーブリンガーの超高品質デビュー作

ドイツ・ベルリンの現行ジャズシーンで活躍するドラマー、ノア・ファーブリンガー(Noah Fürbringer)が、ソロデビュー作 『Moonwalker』をリリースした。サイドマンとしてジャズやヒップホップ、エレクトロニック、ロックなど様々な分野で培ってきた経験を武器に、多彩なセンスで魅せる現代的なジャズ作品となっている。

  • 2022-10-16
  • 2023-08-21

社会を深く憂う現代のフラワーチャイルド。ノルデスチの人気SSWシコ・セーザル新譜『Vestido de Amor』

ブラジルの北東部音楽を代表するシンガーソングライター(SSW)、シコ・セーザル(Chico César)が新作『Vestido de Amor』をリリースした。2019年の『O Amor É um Ato Revolucionário』以来となる10枚目のアルバムで、今作も随所に北東部(ノルデスチ)音楽に由来するリズムと熱情に溢れ、文化を愛するアーティストらしい精神性に満ちたブラジリアン・ロックの傑作に仕上がっている。

  • 2022-10-12
  • 2022-10-11

イスラエル最高のドラマー Dan Mayo、完全ソロで魅せる人間のリズムへの欲求を刺激する傑作

スリーピースバンドのTATRANでも活躍するイスラエルを代表するドラマー、ダン・マヨ(Dan Mayo)の新作 『Greenhouse』は、ライヴ・エレクトロニクスも組み込んだ独自の“ドラムセット”から繰り出す驚異の一人グルーヴ・エンターテインメント・ショウだ。魔法のようなリズムの洪水に酔いしれる。

  • 2022-10-03
  • 2022-10-02

2022年を象徴する一枚。ウクライナ情勢への憂いと怒りに満ちたゴーゴル・ボルデロ新譜

ウクライナ難民として米国に渡ったユージーン・フッツ(Eugene Hütz)が率いる“ジプシーパンク・バンド”のゴーゴル・ボルデロ(Gogol Bordello)が5年ぶりの新譜『SOLIDARITINE』をリリース。バンド史上もっとも強い“怒り”をもって、この絶望的な世界に抗い続ける姿勢を見せている。状況がそうさせているのか、今作はかなり切迫感があり……強烈だ。

  • 2022-06-19
  • 2022-06-19

イスラエル発、今一番クレイジーなバンド。ウジ・ナボンの新譜は『生涯』

イスラエルの特異すぎるバンド、ウジ・ナボン・レガシー(The Uzi Navon Legacy)の新譜『לכל החיים (The Experiences)』が登場した。アルバムタイトルはヘブライ語で“生涯”の意味。もう本当に、変な方向へのこだわりの具合では現在活動中のバンドでは世界随一ではないだろうか。

  • 2022-05-02
  • 2022-05-01

ドイツの技巧派女性ドラマー、アニカ・ニルス 疾走するジャズフュージョン

ドイツの技巧派女性ドラマー/作曲家アニカ・ニルス(Anika Nilles)の新譜 『Opuntia』がリリースされた。全曲がアニカ・ニルスのオリジナルのインスト曲で、メトリック・モジュレーションや変拍子を駆使したテクニカルなフュージョン・サウンドと、特にドラムスの演奏においては手数が多く重たいビートを楽しめる好盤だ。

  • 2022-03-24
  • 2022-03-24

キャッチーなイスラエル・ポップの良作、SSWロイ・ラベス新譜

イスラエルのシンガーソングライター、ロイ・ラベス(Roie Labes)の最新作『סיפורים על שקיעות וזריחות』がリリースされた。タイトルの意味は“日没と日の出の物語”。伸びやかなヴォーカルと、耳馴染みが良くエモーショナルなコード進行とメロディを持ったキャッチーな楽曲群が楽しめるアルバムだ。

  • 2022-03-22
  • 2022-05-22

イスラエル新鋭ギタリスト、オリ・アザニによる魅惑の中東ジャズロック作品『Sha’atnez』

イスラエルのギタリスト、オリ・アザニ(Ori Azani)が自身のバンド“the Hijazz Messengers”を率いて録音したデビュー作『Sha'atnez』が素晴らしい。中東音楽や父親が持っていたソウルやR&B、ロックのレコードを聴きながら育ったという。このデビュー作ではそれらの音楽的な特徴が自然に融合し、独特の世界観に昇華されている。